2024年 5月 4日 (土)

次世代ガソリンエンジンで勝負 マツダの勝算とは

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   マツダが、現行より燃費を2~3割改善させた次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」を2019年に投入する。17年8月8日、発表した。欧米や中国で環境規制が強まる中、世界の自動車メーカーは、電気自動車(EV)を中心とした次世代カーの開発にしのぎを削っているが、当面はガソリンやディーゼルなどのエンジン(内燃機関)が、動力の主役であることに変わりはない。マツダは従来型エンジンの燃費性能を極限まで高める一方、EV開発についてはトヨタ自動車と協業することで生き残りを図る考えだ。

   マツダが8日、東京都内で開催した技術開発の長期ビジョンの説明会。「サステイナブル『Zoom-Zoom』宣言2030」と名付けた長期ビジョンの中で、「企業平均CO2排出量を、2050年までに2010年比90%削減することを視野に、2030年までに50%削減を目標とする」と掲げた。

  • SKYACTIV-X(画像はマツダの公式ブログより)
    SKYACTIV-X(画像はマツダの公式ブログより)
  • SKYACTIV-X(画像はマツダの公式ブログより)

スカイアクティブの第2世代

   実現への具体的な手段の一つが「スカイアクティブ・エックス」だ。燃料のガソリンを点火ではなく圧縮によって燃やす独自技術を用いることで燃費を大幅に改善でき、アクセル操作時の応答性なども高まるという。小飼雅道社長は記者会見で「燃費はガソリンエンジンとして世界一」と力を込めた。

   スカイアクティブは、現在のマツダを象徴する環境技術だ。2008年のリーマン・ショック後、マツダの経営は一時厳しくなったが、11年にスカイアクティブを投入すると状況は変わった。12年のCX-5、14年のデミオ、15年のロードスターと、搭載車が立て続けに「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、復活を印象づけた。「スカイアクティブ・エックス」はスカイアクティブの第2世代という位置づけだけに、経営陣のアピールにも自然と力が入る。

環境規制の強化で逆風の中

   従来型のエンジン車は、欧米や中国の環境規制の強化で逆風が吹いている。例えばフランス、英国は2040年までに自国内でガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を表明。中国は自動車メーカーにEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)を一定割合で生産するよう義務づける考えだ。しかし小飼社長は「外部機関調査によると、2035年にハイブリッド車(HV)も含めて車の約85%に内燃機関が使われると予測されている」と説明。新興国を含めると、内燃機関が主役であり続けると強調してみせた。

   内燃機関を強化する一方、EVなどはトヨタと協力する。マツダの世界販売台数は年間150万台。トヨタ、ルノー・日産自動車連合、独フォルクスワーゲン(VW)など「1000万台グループ」は、環境対応も自動運転も「つながるクルマ」も、基本的にグループ内で開発可能だが、マツダクラスは「すべて自前で」というわけにはいかない。協業すべきところは協業するという潔さが、マツダにはある。

   クルマの持つ魅力である「走る歓び」を重視するマツダ。2019年、どんなクルマを市場に出すのか、注目が集まりそうだ。

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