2018年 7月 20日 (金)

午後2時頃にダルくなるのはなぜ? 脳の報酬系の機能が低下し、刺激を感じなくなっていた

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   1日の中で脳や体が停滞感を覚えるタイミングと言えば夕方になる前、14~15時頃という人は少なくないのではないだろうか。

   その原因はいくつかわかっている。例えば、昼食と夕食の間の空腹になるタイミングでエネルギー不足になっている、概日リズム(体内の24時間周期)の影響であえて疲労感を覚えさせて覚醒させようとしている、といった理由が知られている。

   さらに、豪スウィンバーン工科大学の最新の研究によって、脳の神経系のひとつ「報酬系」も午後のダルさに大きく影響していることが明らかになった。

  • 午後のダルさは脳のせいだから仕方ない
    午後のダルさは脳のせいだから仕方ない

昼間は報酬系の反応が大幅に低下

   報酬系とはその名の通り報酬が与えられたとき、つまり欲求が満たされたときに活性化する部位だ。

   食欲や睡眠欲といった生理的な欲求はもちろん、愛される、美しいものを鑑賞する、他者に認められるなどの「高次的な欲求」が満たされた場合にも反応し、人の行動や思考に大きく影響していることがわかっている。

   報酬がもらえる場合だけでなく、報酬がもらえると期待できる場合にも活性化するため、我々がその瞬間にお金がもらえるわけではなくても日々仕事に取り組むことができるのも、報酬系のおかげと言えなくもない。

   スウィンバーン工科大学のジェイミー・バーン教授は、この報酬系に時間帯も影響しているのではないかと推測。検証実験を行うことにした。

   まず、昼間に働いている(夜勤労働者ではない)健康な男性16人を対象に、10時、14時、19時の3回、勝利すると高倍率の報酬を得ることができるギャンブル形式のゲームを実施。

   それぞれの時間帯で報酬系がどの程度活性化しているか、MRIで報酬系関連の機能が存在するとされる脳の左前頭葉の血流を測定している。

   すると、各時間帯とも同じ内容のゲームを実施したにもかかわらず、10時と19時は報酬系が活性化していたが、14時にはほとんど反応しないばかりか、報酬を必要としないような反応すら見せていることがわかったのだ。

   なぜ昼間に報酬系の反応が低下してしまうのか。バーン教授らは「原始的な脳」と呼ばれる、我々の祖先の影響ではないかと指摘している。

   祖先が狩猟採集生活を行っていた時代、食糧を安全に確保することができるのは早朝か夜間であり、日が高く昇って多くの動物が行動している昼間はリスクが高い危険な時間帯だったと考えられる。

   そこで、報酬が得られる可能性が高くリスクが低い朝と夜に報酬系が活性化し、昼間には低下するようになったというわけだ。

何かするなら午前中か夜

   では、この研究の結果から我々はどうすればいいのだろうか。バーン教授は、

「誕生パーティーを開くなら昼食会より夕食会でしょう」

と冗談めかしたコメントをしているが、もちろん注意すべきはそれだけではない。まず、最大限の報酬が得られることは午前中に実施したほうがいい。あまり手をつけたくない面倒な仕事や、その逆に重要な決断が求められる仕事などは早めに片づけてしまうことだ。

   もし午後にその仕事を始めてしまうと、鈍い報酬系の反応によってミスを犯してしまうかもしれない。

   またフィットネスを行うタイミングや、減量のために食事量を調整する時間も午前中、もしくは夜に設定するほうがいいとバーン教授は指摘している。どちらも筋肉をつけたり体重を減らして理想の肉体を手に入れるという報酬を得ることを期待している行為であり、報酬系が関係しているためだ。

   バーン教授らは今後も報酬系と時間帯の関係を検証し、治療効果が最大となる時間帯なども調査していきたいとしている。

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