データ不正で「火に油」 神戸製鋼所トップの不用意発言

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   神戸製鋼所の検査データ不正問題は2017年10月8日に発覚したアルミ・銅製品から、11日には鉄粉製品と金属材料に拡大。13日には主力の鉄鋼製品にもデータの改ざんなどが見つかり、取引先の企業は当初の約200社から約500社に拡大した。

   今後の焦点は自動車や航空機などに使われている同社のアルミ・銅製品や鉄鋼製品の安全性だ。同社は「最終製品に影響はない」としているが、最終的には取引先のトヨタ自動車などメーカーの判断となる。10月下旬と目される調査結果の行方が注目される。

  • 神戸製鋼所による不祥事の影響はどこまで拡大するのだろうか(画像は神戸製鋼所の公式ホームページより)
    神戸製鋼所による不祥事の影響はどこまで拡大するのだろうか(画像は神戸製鋼所の公式ホームページより)

焦点は最終製品の安全性

   拡大を続ける神戸製鋼の検査データ不正問題は、まさに泥沼化の様相だ。とりわけ川崎博也・会長兼社長の不手際が目立ち、その説明のいい加減さが「火に油を注ぐ」格好になっている。川崎会長は10月12日、経済産業省に事実経過の報告に訪れた後、省内で記者団に対応。不祥事発覚から記者の前にトップが出てきたのはこの時が初めてというのも問題だが、中身はもっと問題で、「今後、新たな不正事案が発生する可能性がある」ものの、「(鉄粉以外に)鉄は入っていない」と断言したのだ。これが翌13日の記者会見では一転、過去に鉄鋼製品の不正があったと発表する事態になった。

   川崎会長は「昨日、鉄鋼については鉄粉以外に不適切がないと申し上げた。ただ、今後徹底的な原因分析と対策を考える上で、過去の事例を踏まえた対策を講じる必要があると考えた」「4月以降の監査、9月からの自主点検では見つけていないという意味だった」などと釈明したが、発言の軽さにマスコミ各社から疑問の声が相次いだ。

   今後の焦点は約500社に拡大した取引先の最終製品の安全性だ。川崎会長は「改ざん前の生データをメーカーに提供して、メーカーにご判断いただくことになる」と述べている。経済産業省は10月12日から2週間程度で製品の安全性の検査結果を公表するよう求めている。不正の原因分析と再発防止策は1か月以内に発表するよう、異例の期限を設けた。いずれも神戸製鋼の対応が後手に回っているためだ。

自動車メーカーの対応は?

   これまでのところ、JR東海とJR西日本が新幹線の台車に神戸製鋼のアルミ部品を使っていることが判明したが、強度は必要な水準を上回っており、「走行の安全性に影響はない」という。三菱重工業が開発中の国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)にも使われているが、「安全性に問題がないことを確認した」という。米航空機大手ボーイングも「今のところ安全上の懸念は見つかっていない」と表明している。

   注目されるのは、消費者に最も影響が大きい自動車メーカーの対応だ。トヨタ自動車をはじめ、国内だけでなく米ゼネンラルモーターズ(GM)、フォード、ルノーなど海外大手も含まれる。歩行者との衝突安全性で高い品質が要求されるボンネットなどに不備が見つかれば、大規模リコール(回収・無償修理)に発展する可能性もある。神戸製鋼の検査データ不正問題が鎮静化するか否かは、これら自動車メーカーの調査結果にかかっている。

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