2024年 5月 3日 (金)

風呂上がりに裸でウロついてない? 子どもの脳を変形させる「虐待」かも

【世界一受けたい授業】(日本テレビ系)2017年10月28日放送
「子どもの脳が変形する!?危険な子育て」

   「マルトリートメント」という言葉を知っているだろうか。「マル(mal)」=「悪い」、「トリートメント(treatment)」=「扱い」を組み合わせたもので、子どもへの心ない言葉や暴力、育児放棄などの「不適切な養育」を指す。

   最新の研究で、マルトリートメントによるストレスが子どもの脳を変形させ、成長してから悪影響を及ぼす可能性があるとわかってきた。「我が家は虐待は無縁」と思っていても、何気ない一言や行動で子どもの脳が傷付いているかもしれない。福井大学の友田明美教授が詳しく解説した。

長時間のスマホで集団行動が苦手に

   知らず知らずのうちにやってしまいがちなマルトリートメントの第5位が「過干渉」だ。

   自己管理できる子どもに行き過ぎた管理をしていると、子どもは信用されていないと感じ、危険や恐怖心を感じる脳の「扁桃体」が変形。いつもビクビクした大人になってしまう。

   心配事があってもぐっとこらえ、口を出すのが本当に子どものためになっているのか一旦考えよう。

   第4位は「長時間スマートフォンを触らせる」。

   今や3歳児の47.5%、9歳児の89.9%がスマホなどでインターネットを使っているという調査結果もあるが、長時間スマホを使っていると、親とのコミュニケーションが極端に減る。右脳と左脳をつなぎ、感情をコントロールする「脳梁(のうりょう)」という部分が縮小し、集団行動ができなくなってしまう。

   どうしても手が離せない時にスマホを渡すのは便利だが、1日1時間など、時間を決めて使わせるとよい。

   第3位は「風呂上がりに裸でウロウロする」。

   子どもが本気で嫌がっている場合は、立派な「性的マルトリートメント」だ。「視覚野」が変形し、記憶力、認識能力が低下する。子どもの気持ちを聞き、嫌がっているなら必ず脱衣所で着替えるように。

兄弟や友達と比べると薬物中毒のおそれも

   第2位は「兄弟・友達と比較する」。

   他の人と比べながら叱ると、子どものプライドを傷付け、喜びや快楽を感じる「線条体」が働かなくなり、将来アルコール依存や薬物中毒におちいる危険性が高まる。

   子どもは一人ひとり違うもの。誰かと比較せず、本人ときちんと向き合うべし。

   第1位は「感情に任せた暴言」。

   体への暴力より、言葉の暴力の方が脳へのダメージが大きい。暴言を受けると「聴覚野」が肥大し、耳が健康でも音が聞こえなくなる「心因性難聴」を患うケースも。

   叱らなければいけない時は、「60秒以内」を心がけて。長時間の説教は感情的になる場合がほとんどで、ただの暴言にしかならない。叱るポイントを絞って。

   夫婦喧嘩にも要注意だ。激しい喧嘩を頻繁に見ると、その景色を見たくないと、視覚野の一部「舌状回(ぜつじょうかい)」が縮小し、語いや理解力が低下する。なるべく夫婦喧嘩は子どもに見られないよう、メールなどを介するとよい。

   成長過程にある子どもの脳はとても柔らかく回復力を持っているので、一度変形してしまっても軌道修正できる。

   手伝いをしてもらってほめる時は、「助かったよ」と声をかけると、「自分が役に立っている」と感じ、いい意味で脳に響く。

   普段の会話では、子どもの言葉を優しく繰り返すとよい。例えば「きれいなお花を描いたよ」と言われたら、「本当だね、きれいなお花を描いたんだね」と返す。子どもの言葉をしっかり繰り返すと、親が自分の話を理解していると感じ、積極的に会話するようになる。脳の最高司令部「前頭前野」が正常化するという研究結果もある。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中