2018年 7月 17日 (火)

米国のZTE制裁がもたらす屈辱 中国世論は「反発」より「反省」

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   中国の通信機器大手の中興通訊(ZTE)が、米国から「欺瞞、虚偽の供述と再三にわたる米国の法律違反」と非難され、「ペテン師」とまで呼ばれている。米商務省の公式サイトに公表された声明文は、その語彙が容赦なきものであるのみならず、いたるところに辛辣な皮肉が隠すこともなく使用され、「愛国」的な中国人を強く刺激した。

   ZTE事件は中国人に大きな心理的衝撃をもたらした一方で、中国の専門家が一年前にZTEの内幕を暴いた文章もインターネットでは広く読まれるなど、中国世論も米国への反発一色ではない。

  • 中国ZTEは国内からも非難を浴びている (写真は2014年撮影の天安門)
    中国ZTEは国内からも非難を浴びている (写真は2014年撮影の天安門)

米国企業との取引を禁止

   2018年4月16日、米国商務部は米国企業にZTEとの取引を禁じると発表した。ZTEが過去にイランなどへ通信機器を輸出していたことなどが理由だった。4月20日、ZTEの総裁は訴えるような口調で、「この禁止令によって中興はショック状態に陥っている」と語った。このニュースは公共の場でも、ソーシャルメディアでも、極めて大きな論議を引き起こした。

   中国ではこの事件が一企業の得失を超え、官民の情緒と神経を逆なでし、あらゆる人が熱心に討論に参加するような事態を引き起こしている。それは、ZTE事件が突然、これまで人々が理解していなかった「中国と米国の実力の差」という真実を明らかにし、中国の弱さやその潜在的な危険をみんなの目前で暴いてみせたからだ。「我が国はすばらしい」と酔っていた人々に驚きと衝撃、ひいては久しく縁のなかった屈辱感を抱かせた。

   事件発生後、「米国人の選択的な法の執行にすぎない」、つまり、同様のことをしているのは中国企業だけではないのに、どうしてZTEだけをターゲットにするのか、という声もあるが、圧倒的な世論はやはり、「ZTEをはじめとする中国企業は、真剣に反省すべきだ」というものだ。中国企業が「走出去」(海外進出)する際には、モラルの水準、コンプライアンス(法令順守)、契約順守の精神において、大幅な向上が求められている。

中国商務省の専門家も「悪質だ」

   そうしたなか、ZTEの処罰に関する中国商務省のシニアエキスパート(上級専門家)の王志楽氏が2017年に書いた文章が、あらためて引き合いに出され出され、ネット上に広がっている。2017年に王氏が深センに赴き、ZTEの上層部と議論し、その後に書いた文章で、それによると、ZTEの何よりも致命的な間違いは、チップが米国産より劣っていたわけではなく、コンプライアンスの重要性を理解していなかったことにある。

   イランに密輸していたZTEの調査を、米商務部は2012年から進めていたが、8.92億ドルの罰金を課したのは2106年になってからのことであった。処罰が下されるまでの4年間に、ZTE側が間違いを徹底的に認識し、自社の経営のコンプライアンスを管理し、ビジネスにおける信用とモラルを着実にさえ守っていけば、今日の局面に至ることはなかった。当時、ZTE内部では「調査に協力する」と主張した人もいたが、大部分の人は「ZTEは中国企業として抵抗する態度をとるべきであり、米政府の調査に協力する必要はない」と考え、後者が優勢を占めるものとなった。結果としては今回の制裁では、ZTEがアメリカ企業だけでなく、中国以外のほどんどの企業から今後7年間も技術の供与、部品の提供がストップされてしまい、倒産に直面するようになっている。

   王氏の文章によると、2013年11月、米調査機構によって違反行為を調査されたにもかかわらず、ZTEはイランとの取引の復活を決定した。米国側の管理・監察を回避するため、無錫のある上場会社を使って、ZTEの替わりにイランに輸出するという手口をとった。国内貿易の形で、中興通訊はまず商品をこの中国の会社に販売し、そこを経由してイランに輸出する。米調査機構にとっては、これは「和解しながら、敢えて逆らって罪を犯す」ことに相当する。

   「米国人だけでなく、私自身もこのようなやり方は悪質だと考える」と王氏は書いている。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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