2024年 4月 23日 (火)

勝利の近道は、「面白さ、楽しさ」伝えること 関学・小野Dのアメフト論が脚光浴びる

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「現役の後輩に伝えたかった」こと

   同時に、「関学小野ディレクターが自分の母校(高校)に送った文章。アメフト愛にあふれている」などとしてツイッターでURLがシェアされ、注目されたのが、母校・東京都立戸山高校アメフト部へ小野氏がおくった、「戸山アメリカンフットボール部の哲学・戦略・戦術」というメッセージだった。

   2000年頃、創部50年を記念した部誌のためにOBとして書いたもので、会見でも述べていた「フットボールが面白い、楽しいと思える気持ち」に通じるこんな記述がある。

「何よりもアメリカンフットボールの面白さ、楽しさ、その魅力の全体像を現役の後輩に伝えたかった。それが『勝つ』ことへの一番の近道だと信じていた。『好きこそものの上手なれ』である。『哲学』というにはあまりに陳腐なのだが、それこそが私にとっての戸山の本質であった。また、それを伝えられるのは、東京から関学まで行ってフットボールをした自分しかいないという身勝手な使命感があった」

「人が心の底から夢中になれるものを持つようになるということは感動的なことである。自分でも理解不能な『こころ』が、化学反応を起こすように、瞬間的に、時にはゆっくりと、何かを好きになっていく。そして、いつしかそれへの愛情を胸に宿すようになる」

   小野氏は続けて、「異性に恋い焦がれるというのならわかるが、痛くて辛くて汚くてなんの得にもならないアメリカンフットボールに夢中になることがあるとしたら、それは人として崇高なことですらある――というのは自己弁護に過ぎないのだが......」と謙遜していた。この後、アメフトの戦略論が約5000字にわたって続く。終盤には「戦略よりも前の段階として考えるべき『安全にフットボールをする』ということに触れておきたい」というくだりもある。

   現在ディレクターとして支える関学アメフト部のウェブサイトで書いているコラムにも、その信念が表れているものが見つかる。「第55回ライスボウル(2001年度) コーチコラム(攻撃)」には、こんな一節があった。

「『やらされている』ような状態では、成長はおぼつかない。しかし、人間はなかなか努力が長続きしないものである。ましてや、米国のようにスポーツ奨学金がもらえるわけでもなく、プロへの可能性もない日本の大学フットボールにおいて、選手の高いモチベーションが維持される基礎条件は大きくない。では、そうした受身の姿勢に陥らず、自分から夢中になって厳しい課題にも取り組むことができるようになるためには、どうしたらいいか。いろいろな答えがあると思うが、そのうちの一つは、やはりフットボール自体を『面白くて仕方がない』と感じられるようになることだ。好き、になることこそが近道だと思う」
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