2018年 11月 22日 (木)

中国ネットで突如、沸き起こったMe Too運動 「特色あるセクハラ問題」の顛末

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   2017年ハリウッドから韓国まで飛び火した「Me Too」運動が、突如中国で炸裂した。

   2018年7月下旬、少なくとも10人の社会的地位の高い中国人男性が性暴力やセクハラで告発された。数年前に複数の人々に起こった事件が数日間に集中して暴露されたことは、性暴力反対を訴える世論が、もはや中国でも基本的に形成されていることを反映している。

  • 中国でもネット上でセクハラに関する告発が広がっている
    中国でもネット上でセクハラに関する告発が広がっている

ボランティア団体やメディアの有名人

   7月22日、B型肝炎NGO「億友公益」創始者の雷闖氏は、2015年に女性ボランティアに性暴力を働いたと匿名で告発された。23日には、江蘇省南通の環境保護活動家の劉斌氏が中国版のLINEである微信(WeChat)で、著名な環境保護団体「自然大学」の馮永鋒氏がかつて同団体の女性実習生と女性職員に対し、胸を触る、暴力を振るう、暴行するという行為を働いたと公表した。

   訴えられる対象は、ボランティア業界からまたたく間にメディア業界にも広がった。7月25日、一人の女性が「小精霊」というハンドルネームでネット上に、「今年5月18日に『瞭望東方周刊』『中国新聞周刊』の主筆にあったベテランのメディア著名人である章文氏に暴行された」と書いた。その後、やはりメディアにおける著名な女性たち、蒋方舟氏と易小荷氏も実名で章文氏のセクハラを告発した。

   26日には、やはりメディア業界人の羅昌平氏が中国版ツイッターともいわれる微博(weibo)で、「ある匿名の女性ネットユーザーが、大学3年生の時に中国中央電視台(CCTV)で実習していた時、トイレで同テレビ局の有名な司会者である朱軍氏から、衣服越しにわいせつな行為をされそうになったと訴えている」と語った。

   この他、民主化を推し進める袁天鵬氏、男性同性愛者とエイズ患者の権利活動家の張錦雄氏、『新周刊』創始者の孫冕氏、作家の張弛氏、大学教授の熊培雲氏、公益事業活動「フリーランチ」発起人の鄧飛氏もみな同じ1週間のうちに、女性たちから性暴力やセクハラで告発された。

スラット・シェイミングによる反撃

   女性の権利に注目している多くの人々が、この期間でメディアに声明を発表し、7月から頻繁に起こる告発に奮い立った。

   女性の権利活動家である鄭楚然氏は、「一連の事件が発生したのは基本的に数年前のことだが、今になって凄まじい勢いで暴露されているのは、性暴力反対を訴える世論がすでにできていることを意味する」と指摘した。同じく女性の権利活動家の呂頻氏は、関連する調査データを引用し、「近日、『セクハラ』が微信で暴露される数はこれまでの数十倍になり、中国で『Me Too』運動にかつてないほどの注目が集まっている」と指摘した。

   ただ、ネットのコメントから見ると、現代の中国人女性が伝統的な束縛から脱却し、性的搾取に抗議しようとする方法が次第に社会から支持を受けるようになってはいるが、依然として抵抗を受けていることも分かる。

   7月に告発された男性のうち、ある者は認めたが、ある者は当時女性と「恋愛」をしていたと釈明し、ある者は誤解だと釈明した。

   また、ある者は認めないばかりか告発した女性に対して、その女性を「slut-shaming(スラット・シェイミング)」した。これは、古い女性観にもとづいて、女性の性行動を貶めて非難する行為だ。たとえば、先述したメディア人の章文氏は反論の際、「3人の告発者の私生活はふしだらだ」として、うち2人は「多くの男性と交際」、うち1人は「離婚歴があり、頻繁に飲み会に姿を現している」ことをほのめかした。

   さらに、被告発者に同情する一部のネットユーザーも、女性が法律的手段に訴えることをせず、SNSで公開処刑という手段に訴えたのは男性に対して不公平であると考える人々もいる。あるネットユーザーは「告発者には魂胆があり、金を脅し取ろうとしたところ、失敗してこのような手段に訴えたのではないか」と疑いを抱く。

   いずれにせよ、7月下旬に集中した告発は、中国の特色あるセクハラ問題について社会の注目を一時的に集めさせた。作家の巫昴氏も、いつでもどこでもメンツを欲する中国では、メンツや権力が中国式セクハラの温床になっていると指摘した。

   一方で、この突如巻き起こった中国版「Me Too」運動は、この原稿を執筆した8月16日現在、北京の夏の夕立のように、SNSなどからほとんど消えている。告発された権力者、有名人は今、無傷で日常にもどっているのではないだろうか。そして、彼らはほとんど処罰されていないようだ。これも中国の特色なのだろうか。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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