2018年 11月 15日 (木)

松坂大輔はなぜ甲子園で強いのか 「20年前の投げやすさはなかった」と語った裏の決意

印刷
糖の吸収を抑えるサラシノール配合。トライアルが500円+税で

   中日の松坂大輔投手が13日、甲子園球場で行われた阪神戦に先発し、今季6勝目をマークした。38歳の誕生日となったこの日は、5回を投げ95球5安打1失点。公式戦の甲子園のマウンドは、2006年6月9日以来12年3カ月ぶりで、日米通算170勝目となった。

   20年前の1998年9月13日。この日も松坂は甲子園のマウンド上にいた。AAA野球選手権の決勝戦。台湾を迎えての一戦で松坂は完投で勝利し、大会MVPに輝いた。投球内容は20年前には遠く及ばないものの、ヒーローインタビューでは「勝てて良かったです」と2度目の甲子園バースデー勝利を素直に喜んだ。

  • 画像はイメージ
    画像はイメージ

松坂が残した甲子園での伝説

   松坂は甲子園を「特別な場所」という。横浜高校時代、春夏連覇の偉業を成し遂げた「平成の怪物」は、甲子園で負けたことがない。150キロを超えるストレートを武器に11試合に登板し、10試合で完投。うち6試合が完封勝利で、99回を投げて奪った三振は97。防御率は驚異の0.78と、怪物ぶりをいかんなく見せつけた。

   今でも伝説として語り継がれるのが、夏の大会でのPL学園との準々決勝戦。PLのエース上重聡(現日本テレビアナウンサー)と投げ合った一戦は、延長17回までもつれる壮絶なものとなり、松坂は17回を一人で投げ切り250球の完投勝利を挙げた。決勝戦では京都成章高相手にノーヒットノーランを演じ、チームを優勝へと導いた。甲子園の決勝でのノーヒットノーランは史上2人目で実に59年ぶりの快挙だった。

甲子園のマウンドとMLBのマウンドの違い

   松坂は甲子園に愛されているのだろうか。MLBのマウンドに8年間、慣れ親しんだ松坂にとって甲子園のマウンドは投げづらいはず。MLBのマウンドの土は、一般的に日本よりも硬い。MLB仕様とされる東京ドームのマウンドは硬いといわれるが、黒土の甲子園のマウンドは日本の中でも軟らかいことで有名だ。

   MLBに移ってから松坂の投球フォームは明らかに変化した。日本球界で活躍していた20代前半のころは、柔軟な投球フォームが特徴的だったが、MLBでは持ち味の柔らかさは影を潜め、上半身だけで投げている印象が強い。この変化はMBLのマウンドの硬さが大きな要因とされている。MLBの投手に多く見られる投げ方は、踏み込んだ足をしっかりと固定することで、上半身のパワーを最大限に引き出すもの。硬いマウンドに対応するには、MLBスタイルを受け入れざるを得なかったのだろう。

   MLB出身のクローザーの多くが、甲子園のマウンドの軟らかさに苦労するという。先発、中継ぎ投手が荒らしたマウンドは、大きな穴がいくつも空いており、足を踏み込む際にはそれをうまく避けなければならない。加えて土が軟らかいため、踏み込む足が固定出来ず、慣れるまでは相当な時間を要するという。

甲子園に愛されたレジェンド

   この日、松坂は試合後、報道陣に「投げづらかった。20年前の投げやすさはなかった(日刊スポーツ)」と語っている。決して得意ではない甲子園のマウンドで、38歳の松坂が勝てる理由はどこにあるのか。

   松坂と同じ1980年生まれの野球選手は「松坂世代」と呼ばれる。ここ最近、横浜高でともに甲子園で活躍した後藤武敏(DeNA)をはじめとし、村田修一(元巨人)、杉内俊哉(巨人)と、今季3人の「松坂世代」が相次いでグローブを置いた。現在、現役でプレーしているのはわずか7人。この日のマウンドにかけた思いを松坂は「もう少し頑張るよという決意表明のような日」と表現した。

   ファンもまた高校野球のレジェンドを後押しした。この日の2回、バッターボックスに入った松坂に対して、中日の応援団は「ハッピーバースデー」の演奏で祝福。阪神ファンで埋まるライトスタンドからも大きな拍手が起こった。「力を与えてくれる場所」。甲子園を語る時に松坂が常に口にする言葉だ。甲子園には魔物が棲むといわれるが、松坂の強いモチベーションがこの魔物さえも味方につけたのだろう。

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
転職
20代の転職で一番大事なこと プロが「能力」より「素直さ」と断言する理由

「未曽有の人手不足」と言われる昨今、活況が続く現在の転職市場では、20代の若手人材に対する需要も以前とは比べものにならないほどだ。とはいえ、転職を成功させるために十分な準備が必要であることは変わらない。

PR 2018/10/31

ad-kyouryoku-kaidan2.png
秋の夜長に「最恐怪談」はいかが?

この秋、「最恐怪談」が、さらにパワーアップして帰ってきました。赤羽の地に集まったのは、怪談界でも指折りの3人の語り部たち。今宵は、背筋も凍る、このお話からお聞かせしましょう......。

PR 2018/10/9

姉妹サイト
    loading...

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中