2019年 10月 17日 (木)

スバルが結局リコール 「品質に問題なし」から一転した理由

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   SUBARU(スバル)はブレーキなど新車の完成検査で不正が見つかった問題で、国土交通省に2018年10月11日、インプレッサ、フォレスターなど9車種計6124台のリコール(回収・無償修理)を届け出た。スバルは国交省と協議した結果、ブレーキやステアリングなどの全数検査が適切に行われておらず、国の保安基準を満たさない可能性があると最終的に判断した。

   スバルは当初、検査に不正はあっても品質に問題はないとの判断に傾いていたが、一般ユーザーにはわかりにくい説明だった。最終的に国交省の指摘を受け入れ、早期にリコールすることでユーザーの信頼回復を目指すことになった。

  • スバルは計6124台のリコールを届け出た(画像はイメージ)
    スバルは計6124台のリコールを届け出た(画像はイメージ)

新たにブレーキやステアリングの全数検査で不正があったと公表

   スバルは9月28日、工場から出荷する新車をチェックする完成検査に関する調査報告書を国交省に提出したが、新たにブレーキやステアリングの全数検査で不正があったと公表した。ブレーキペダルの制動力を確かめる検査なのにサイドブレーキを引いていたほか、ステアリングの舵角検査で社内規格に達しない時は、検査員が手でタイヤを押すなどして社内規格に達したように見せかけていた。いずれも、なぜ検査員がそのような操作をしていたのか、納得のいく説明がなかったため、マスコミもユーザーも疑心暗鬼となった。

   これについてマスコミは「スバル ブレーキ検査も不正 制動力不当にかさ上げ」(朝日新聞9月29日)などとセンセーショナルに報じた。一連の報道は、スバルのブレーキに欠陥があるかのような印象を与えたが、実際に事故などのトラブルは起きていない。通常のリコールは、実際に事故が起きたり、構造的な欠陥が見つかったりした場合に行なわれるが、今回のスバルのリコールはこれとは異なる。出荷時に必要だった安全性の検査を怠ったため、再確認するというものだ。

   そもそも9月の調査報告書の公表時点で、スバルの中村知美社長は「保安基準への適合性はある」と述べ、安全性に問題はないとの考えを示していたが、リコールについては「国交省と協議する」と態度を保留していた。スバルは「当時は社外の弁護士らから報告書を受け取った直後で、内容を精査できていなかった」(幹部)と本音を漏らす。

「幕引き」となるか

   スバルは全数検査で不正があったものの、抜き取り検査など他の検査で安全性は確認できているとの考えを示していたが、一般のユーザーにはわかりにくかった。国交省も「スバルの説明は合理的でない」と判断。スバルに報告書の詳しい説明を求め、自主的にリコールすべきではないかと促した結果、スバルも消費者の理解を得るためにはリコールが必要と最終的に判断した。

   スバルは新車を無資格の検査員が検査していた問題で、2018年2月までに約42万台を再検査のためリコールしている。対象は群馬県の2工場で17年10月4日~12月15日に製造した「インプレッサ」など9車種だった。今回のリコールは、12月14日から12月29日までに同じ工場で生産したクルマが対象だ。

   スバルは2017年11月と18年2月に完成検査の不正でリコールを行なったが、この2回のリコール以前に生産したクルマは既に車検を受けているので安全性の確認はできていると説明する。18年1月以降に生産したクルマは、17年秋の不正発覚後に生産体制を見直しているため、不正はないという。スバルは「当社としては、今回の追加のリコールをもって、すべてを届け出たという認識でいる」(幹部)としており、一連の完成検査の不正にピリオドを打つ考えだ。

   これに対して、国交省は「スバルの報告書を精査しており、新たに問題が判明すれば対応する」(自動車局審査・リコール課)としている。3回目となる今回のリコールでスバルは不正の幕引きを終え、正常化に踏み出すことができるのか。国交省が精査の結果、スバルにさらなる対応をとるか、否か、注目される。

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