2024年 4月 27日 (土)

「ポイント還元」政策の中途半端 一石二鳥のはずが「二兎を追う者は~」の危険が

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

同じコンビニでも、直営とFCで違いが...?

   「中小零細」の線引きも問題がある。例えばコンビニは、タバコ屋や酒屋が転換するなど中小零細業者がFC加盟店となっている店と、大企業である直営店が混在する。大手3チェーンの約5万店のうち98%がFC加盟店で、直営は全国で1000店ほどというが、利用する消費者には同じで、2%還元がある店とない店があれば混乱は必至だ。同様に、同じファッションビルやモールのなかで、還元がある店とない店に分かれることも考えられる。

   こうした問題を考えると、駆け込み消費と反動減という増税前後の消費のブレを均すという目的にどこまで効果があるのか、まして新たな混乱を生まないのか、疑問視する声が強まっている。

   さらに問題をややこしくしているのが、政府の「もう一つの狙い」だ。ポイント還元制度を導入することで、世界的に遅れている日本のキャッシュレス化を広めようというのだ。キャッシュレス決済の割合は韓国で約9割に上るほか、イギリスやカナダでは5割超、米国でも4割を超えているのに対し、日本では2割にも届かない状況だからだ。

   政府は世界的なキャッシュレス化の中で日本が遅れをとることを恐れているほか、キャッシュレス化は新産業創出につながり、経済効果が大きいとして、その割合を2025年までに4割に引き上げることを目指している。だが、現実には超高齢化でカードを使わないお年寄りの比率が大きいことや、治安が良く現金を使っても安心なことなどから、なかなか普及が進んでいないのだ。

   韓国でキャッシュレス決済が普及しているのは、キャッシュレス決済をした場合、所得税を控除するなどの取り組みをしていることが大きいとされる。カード業界関係者からは「韓国のように減税を組み合わせて国ぐるみで進めるならいいが、消費増税をきっかけに『一石二鳥』を狙う日本のやり方は中途半端ではないか」との声も出ている。

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