2019年 7月 23日 (火)

「アップルショック」からの回復には、しばらく時間がかかるか

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   アップルショック――年明け早々、世界の株式市場に衝撃が走ったのは記憶に新しい。

   アップル本体はもちろん、iPhone向けに納品する日本や台湾などの電子部品メーカーの株価も大きく下げた。中国の経済減速を理由に挙げているが、スマホ自体の成長が止まっている可能性もある。日本勢の株価には厳しい局面が続きそうだ。

  • iPhoneの成長はどこまで続く?
    iPhoneの成長はどこまで続く?

原因は本当に中国市場なのか

   1月2日、米アップルが売上高予想を下方修正した。日本で言えばトヨタ自動車のように、業績について慎重な予想を立てることが多いアップルの下方修正は異例。それだけにショックは大きかった。

   まずアップルの公表内容をおさらいしておこう。米時間2日の株式市場の取引終了後、「2018年10~12月期の売上高が、従来見通しを6~10%下回る840億ドル(約9兆円、前年同期は880億ドル)とする」と発表した。前年同期比で減収となれば2016年7~9月期以来だ。「下方修正の要因はすべてiPhoneの見通し変更で説明される」とし、腕時計型のウエアラブル端末やタブレット端末「iPad(アイパッド)」、パソコンはいずれも増収見通しを維持した。売上高全体の約6割を占めるiPhone、とりわけ最新機種の「XR(テンアール)」の販売に大きなブレーキがかかったことが影響する。

   下方修正に合わせてティム・クックCEO(最高経営責任者)は声明で「新興国での厳しさは予測していたが、中国の経済減速の規模を想定できなかった」と説明。世界のスマホ市場の約3割を占める中国市場での販売不振が影響している、との見方を示した。ただ、もともと中国でのスマホ出荷台数は2018年7~9月期まで6四半期連続で前年割れ(米調査会社IDC調べ)で、本来は書き入れ時である10~12月期も大きな伸びは見込めない状況にあるだけに、説得力に乏しいという見方も出ている。

   野村証券のリポートは「中国(2017年のiPhone販売の約25%を占有)のマクロ要因だけで弱さを説明するのは難しく、米中摩擦や中国以外での販売不振も下方修正の背景と推測」としたうえで、「iPhoneは日本の電子部品業界の売り上げの約6%(アップル全体では8~9%)を占めると推定しており、販売不振は相応にネガティブだ」と日本の電子部品メーカー株への影響に懸念を示した。

懸念される「アップル経済圏」への影響

   その懸念通り、大発会の4日、東京株式市場は「アップルショック」とこれに伴う外国為替市場の円高ドル安で大荒れとなった。日経平均株価は一時、前営業日終値比3.9%(773円40銭)安の1万9241円37銭まで下げ、終値も2.3%(452円81銭)安の1万9561円96銭と2万円を大きく割り込んだ。

   4日の東京株式市場で日経平均の下落率を大きく上回ったのがアップル関連株とされる電子部品銘柄だ。村田製作所一時12.5%安、終値9.8%安▽太陽誘電一時14.0%安、終値9.8%安▽TDK一時8.3%安、終値4.4%安▽日東電工一時7.7%安、終値4.4%安――と猛烈に売られた。その後、持ち直した銘柄もあるが、ショックは大きい。

   iPhoneの変調は既に納入メーカーの業績にも影響を与えている。年間売上高の半分以上をアップル向けが占める、経営再建中の液晶大手ジャパンディスプレイは2018年11月、2019年3月期の売上高見通しを前年度比10~20%増から5~15%増に下方修正した。

   電子部品日本勢の株価が大幅下落したのは、発売から10年を超えるiPhoneの成長の限界を市場がかぎとっている可能性もある。日本製造業の中でも世界的な競争力を維持している電子部品だが、「アップル経済圏」が停滞するようなことになればその成長力に黄信号が灯りかねず、株価にも試練の時が続くとみられる。

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