2019年 12月 15日 (日)

内閣サイバー公式、「感情のハッキング」に注意呼びかけ 独特の喚起ツイート、その真意は?

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   世界で続発したテロ事件を受けて、内閣官房に設置されている内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が2019年4月25日、ツイッターで呼びかけた注意の中に「感情のハッキング」というフレーズが使われ、注目されている。

   事件発生時にSNSで情報拡散すると「みなさんの感情がハッキングされていることになります」として控えるよう呼びかけたのだ。「感情のハッキング」とは何なのか。同センターはJ-CASTニュースの取材に「広義のソーシャルエンジニアリング、またはソーシャルハッキングをわかりやすく言い換えたものです」と説明する。

  • 内閣サイバーセキュリティセンターのツイッター投稿
    内閣サイバーセキュリティセンターのツイッター投稿

「偽情報で、国、宗教、思想、人種を分断し互いに攻撃し合うように仕向ける投稿」も

   凄惨なテロ事件がわずか1か月あまりの間に立て続けに起きた。スリランカでは4月21日、コロンボなどで死者253人が出る連続爆破テロ事件が発生し、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。ニュージーランドでは3月15日、クライストチャーチのモスクを狙った銃乱射テロ事件が発生し、死者50人が出ていた。

   そうした中、内閣サイバーセキュリティセンターが運営するツイッターアカウント「内閣サイバー(注意・警戒情報)」(@nisc_forecast)は4月25日の投稿で、「ニュージーランド、及びスリランカのテロ事件を受けてお願いします」としてこう注意喚起した。

「事件発生時のSNSでの情報拡散は、攻撃者にとって狙い通りの恐怖と悪名の拡散であり、みなさんの感情がハッキングされていることになります。拡散しないようにしましょう」

   情報拡散によって多くの人が恐怖を感じること自体が、テロ組織の思惑どおりだというのだ。続けて、

「また二次的には、それにかこつけて、偽情報で、国、宗教、思想、人種を分断し互いに攻撃し合うように仕向ける投稿が行われています」

と対立を助長するような投稿が存在することも指摘した。

   だが、「我々が拡散しなければ、少なくとも情報面では、こういった攻撃を弱めることができます」としており、「SNSやネットを恐怖と悪名の拡散の場にせず、楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすることで満たせるように、ぜひご協力ください。仲間、友だち、家族のみなさんにも、このお話を共有してくださいね」と呼びかけた。最後にもう一度、「恐怖や悪名を拡散させないといった考えが広く共有されることが、悪意の者の行動への抑止力になります。ぜひご協力ください」と念を押していた。

「人間の行動パターンを読んだり心の隙を突いたりして、思い通りの行動をさせること」

   ツイッターでは「感情のハッキング、とは上手いこと言いますな」「『感情のハッキング』たぶんこれがテロの目的」と、「感情のハッキング」という印象的なフレーズに注目が集まったが、一方で「『みなさんの感情がハッキングされていることになります』とは、どういうことですか?意味が良く分からないです」と解説を求める声もある。

   具体的に意味するところは何なのか。内閣官房・内閣サイバーセキュリティセンターは4月26日、J-CASTニュースの取材に、次のように説明する。

「攻撃者である悪意のハッカーがマルウェアなどを使ってパソコンを乗っ取ることをクラッキング、もしくはハッキングといいます。これに対して攻撃者が、人間の行動パターンを読んだり心の隙を突いたりして、思い通りの行動をさせることを、広義のソーシャルエンジニアリング、またはソーシャルハッキングと言います。ソーシャルハッキングをわかりやすく言い換えると『感情のハッキング』という言い方になります」

   こうした手口については、「フィッシング詐欺や振り込め詐欺で使われているように、攻撃の手口として体系化されています」という。

   担当者は、テロ事件の情報がSNSで拡散されることも「この後者に当たるものであり、ソーシャルハッキングの一種と言えます」と指摘。その上で、

「ただし、ツイッターでは、専門知識が無い一般国民に広く知ってもらう事を念頭に置いて、わかりやすく『感情をハッキング』と言い換えて発信しています」

と説明した。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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