2024年 4月 27日 (土)

大阪星光学院、高校競技クイズの頂点に  「ニュース・博識甲子園」初出場で優勝

   2019年8月24日、東京・渋谷区のスマートニュース社にて、第2回「ニュース・博識甲子園」(主催:日本クイズ協会 協賛:スマートニュース、Z会)の全国大会が開催された。7月16日に全国8都市で開催されたペーパークイズによる予選の、上位8校が東京に集結し、真夏の「頭脳の甲子園」で火花を散らした。

  • 優勝した大阪星光学院高校の山川李成、木村秀太、三好桜太の各選手
    優勝した大阪星光学院高校の山川李成、木村秀太、三好桜太の各選手
  • 優勝した大阪星光学院高校の山川李成、木村秀太、三好桜太の各選手

予選では昨年王者を「高校生クイズ」優勝者が上回る

   この大会は、2018年に開始された、3人一組の高校生による、競技クイズの選手権だ。2回目となる今年は、572人(個人参加含む)、103校182チームが予選に参加し、昨年から倍増。その中から上位8位に入った全国大会の出場校は、予選の成績順に、桜丘高校(三重県)、栄東高校(埼玉県)、松本深志高校(長野県)、仙台第二高校(宮城県)、灘高校(兵庫県)、大阪星光学院高校(大阪府)、横浜翠嵐高校(神奈川県)、旭丘高校(愛知県)の8校である。

   昨年優勝の栄東は、3人のうち2人が優勝メンバー。これを予選で上回ったのが、三重の桜丘高校。昨年の「高校生クイズ」(日本テレビ系)の優勝者である、双子の東問(ひがし・もん)、東言(ひがし・ごん)兄弟を擁するチームだ。この2チームに、昨年も全国大会にあがってきた松本深志、仙台第二、旭丘が経験を生かせるか、あるいは名門灘、大阪星光学院という関西勢、横浜翠嵐が絡んでくるのかが注目された。

   大会の形式は、準々決勝「勝ち抜け早押しクイズ」(4チーム勝ち抜け)、準決勝「ジャンル別ボードクイズ」(2チーム勝ち抜け)、決勝「ノルマ制早押しクイズ」の3ラウンド制で行われた。

準々決勝は「勝ち抜け早押し」

   最初のラウンドは、準々決勝「勝ち抜け早押しクイズ」。各校先鋒・副将・大将を選出し、8人で早押しクイズを実施。5問正解で勝ち抜け、不正解2問で失格というフォーマットで、先鋒戦では3チーム、副将戦では2チーム、大将戦では1チームのみが勝ち抜けるまで争う。勝ち抜けたチームはボーナスポイントを獲得するが、勝ち抜けられなくても正答した数のポイントが加算される。ただし、失格すると正答したポイントが失われるため、1つ誤答するとプレッシャーが跳ね上がる。

   先鋒戦は大阪星光学院の山川李成選手、栄東の鈴木直路選手、桜丘の東言選手の3人が順に勝ち抜け。続く副将戦では仙台第二の川嶋大斗選手、栄東の安達虎太郎選手が抜けた。この時点で2回抜けた栄東がリードを広げた。そして1人しか勝ち抜けられない大将戦では、松本深志の楠裕人選手が突っ走り、一気に抜けた。この結果、準々決勝の勝ち抜けは栄東、松本深志、大阪星光学院、仙台第二となった。

   準々決勝で敗退となった予選トップの桜丘、東問選手は、「栄東、松本深志、大阪星光学院、仙台第二の皆さん、ほかの大会で出会ったら覚えておいてください」とコメント。 昨年、準々決勝で1点差で涙を飲んだ仙台第二の両方菜津子選手は、大将戦で貴重な2ポイントを獲得し、今年は見事準決勝に進出した。

連続誤答で引き離される前回王者

   準決勝は「ジャンル別ボードクイズ」。「社会」「歴史」「国語」「科学」「生活」「芸能・音楽」「スポーツ」「趣味・娯楽」という8つのジャンルから、難易度の異なる問題が各3問、計24問出題される形式。1人の解答者は8問まで答えられるというルールのため、3人のうち誰が解答席に出るかの戦略が重要になる。

   準決勝は4チームがほぼ横並びで進行したが、中難易度の終盤で昨年優勝の栄東が連続で誤答し、引き離される展開。高難易度の問題でなんとか食らいつくも、24問終了時点で大阪星光学院が13ポイントで1位確定、仙台第二と松本深志が12ポイントで同着2位で並び、サドンデスにもつれ込んだ。ディフェンディングチャンピオン栄東は準決勝敗退となった。

   大会初の同点サドンデスとなった2チーム。それぞれが代表として出したのはエース格の仙台第二・川嶋選手と松本深志の楠選手。これまた互いに譲らず、ボードでは決着が付かず、予定外の早押し1本先取までもつれ込んだ。

   ここで川嶋選手が「光電効果!」で正答。デッドヒートを繰り広げた両選手の熱い握手がすがすがしかった。

決勝は「予選6位 vs 4位」

   そして決勝は大阪星光学院と仙台第二の対決。それぞれは予選の順位6位と4位で、1位2位の対決となった昨年とは打って変わった顔合わせだ。決勝は「ノルマ制早押しクイズ」。3人全員が解答席に着き、チーム合計で15問正答した方が勝つ。ただし、3人それぞれが5問正答しなければならないというルールだ。誤答をすると問題を最後まで読み切り、相手に解答権が移る。

   決勝は仙台第二の川嶋選手が早々に5問クリアして抜ける。大阪星光学院の方は3人がそれぞれ横並びでポイントを積み重ねていく。仙台第二は両方選手が「雨傘革命!」「故郷の朝!」「近藤麻理恵!」と怒涛の3連答してリーチ。続く9問は大阪星光の3人がそれぞれポイントを重ね、山川選手がまず抜ける。しかし、両方選手も食らいつき、ノルマの5問をクリアした。

   最終盤は仙台第二は鄭俊選手、大阪星光の木村秀太選手と三好桜太選手という対決になった。まだポイントのない鄭選手を、すでに抜けた2人のチームメイトが見守る。しかし、大阪星光の木村選手が抜け、最後は鄭選手が果敢に押し「ヴェルサイユ条約!」と答えるも誤答。最後まで聞いた三好選手が「サン・ジェルマン条約!」と答え、勝負あり。

優勝は3学年の混成チーム

   第2回ニュース・博識甲子園の栄冠は、初出場の大阪星光学院の山川、木村、三好の3選手がつかみ取った。

   優勝した3人は、木村選手が3年生、山川選手が2年生、三好選手が1年生というチーム。結成は山川選手の呼びかけに、木村選手が応じ、三好選手を加えて参戦することになったという。それぞれが得意なジャンルを補完しあっているが、これは「たまたま」だそうだ。「決勝が仙台第二と戦うことになったのは予想していませんでしたが、川嶋選手を先に勝ち抜けさせれば勝機はあると思っていました」と口を揃えた。

   一方、準優勝に終わった仙台第二は、最後に残った鄭選手だけが3年生。「予選でも僕が足を引っ張っていたのに申し訳ない。でも、この場に連れてきてくれた後輩2人には、本当に感謝しています」とコメントすると、川嶋・両方の両選手が「鄭先輩がボードで稼いでくれたおかげで、この場に来れましたので」とねぎらった。

   優勝候補の敗退、昨年のリベンジ、そして予選6位からの栄冠、と今年の「頭脳の甲子園」もドラマにあふれる大会となった。

   なお、この決勝大会の模様は、後日、インターネットテレビ「Paravi(パラビ)」で配信される。

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