2019年 12月 10日 (火)

京都の大混雑、背景には特有の交通事情も 観光シーズンは鉄道・バスともに「過酷」状態

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   観光客の増加による「オーバーツーリズム」が課題になっている京都市。

   特に紅葉シーズンにあたる11月前後は京都観光のハイシーズンになるが、公共交通機関が半ばマヒしているかのような状態だった。バス・鉄道ともに急増する観光客をさばき切れず、根本的な対策は乏しい。

  • バスが団子状になるほど過密状態の京都駅前バスターミナル
    バスが団子状になるほど過密状態の京都駅前バスターミナル

「便利すぎる」市バスとバラバラな鉄道

    2019年も、11月下旬の京都駅前バスターミナルは、清水寺・祇園方面を中心に毎日長蛇の列が発生し、数十分待ちが当たり前という状況が観光客らからもネットに投稿されている。寿司詰めのバスに乗れば、タクシー・マイカーや観光バスと共に渋滞に巻き込まれ、さらに時間を浪費する羽目になる。京都市営バスの状況は深刻で、バスの1時間単位の遅延はざら、観光地を経由する路線では地元ユーザーが乗車できないこともある。

   バスに乗客が集中する理由は主に2つあり、「観光地へほぼバスだけで行けてしまう」「貧弱な鉄道網」となる。清水寺・祇園・岡崎・金閣寺・銀閣寺・嵐山と四方の観光地に京都駅から乗り換えなしでバス路線が走っている。加えて価格600円の市バス一日乗車券を使えば、初乗り230円の市バスでは3回乗れば元が取れてしまうリーズナブルさも拍車をかけている。

    鉄道は京都駅を起点に見ると、嵐山方面にJR西日本の嵯峨野線、東福寺・祇園・出町柳方面にJR奈良線と京阪電車が走っている。他にも市内には阪急・嵐電(京福電鉄)・叡山電鉄・京都市営地下鉄が走るが、これを地図で見てみると、碁盤目状の京都市街の中で一部の主要な通り(烏丸通・四条通・川端通・御池通)をカバーするにとどまり、点在する観光スポットを網羅するのは不可能。金閣寺・銀閣寺のように鉄道を使ってもバスを乗り継がねばならないスポットが残る。

   また会社ごとの「境界」も壁になる。例えばJRと京阪の乗り換えには京都駅から奈良線に乗って1駅南の東福寺駅まで行かねばならず、京阪の東福寺駅は準急と普通のみしか停車しない小駅だ。JR・京阪・阪急が、それぞれターミナルが独立しているのもわかりにくさに拍車をかける。

   京都市交通局はバスの混雑緩和と地下鉄への観光客の移転を狙って、地下鉄と京都市内の市バス・京都バス・京阪バスが乗り放題の「地下鉄・バス一日券」を18年3月に1200円から900円に値下げし、同時に市バスの一日乗車券を500円から600円に値上げした。ところがこの乗車券でカバーできる鉄道は京都市営地下鉄の烏丸線と東西線の2本のみ、京都市内のJR西日本・京阪・阪急・嵐電などは対象外になる。

   他の鉄道系フリーきっぷとなると、夏と冬のみ発売の「歩くまち・京都レールきっぷ」があり、京都市営地下鉄・JR西日本・阪急・京阪・嵐電の市内エリアがほぼ乗り放題で1日1300円(2日券は2000円)がある。しかし期間限定かつバスは対象外で、19年冬は12月1日から20年3月31日だけ有効なのが短所だ。10~11月という肝心のハイシーズンには使えない。なかなか「かゆいところに手が届かない」のが京都の鉄道だ。

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