2020年 2月 24日 (月)

ボクシングの「かませ犬」は必要悪なのか? JBCが海外選手招へい厳格化へ

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   日本ボクシングコミッション(JBC)が、インドネシア人ボクサーの招へいに関する規定を厳格化する。ボクシングの安全性と信頼性、社会的地位の向上を目指したもので、2020年2月1日から運用される。

   JBCはこれまでフィリピン人、タイ人ボクサーの招へい規定を改定しており、今回はこれに続くもので、令和の時代に入り日本ボクシング界が変わろうとしている。

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世界、東洋太平洋ともに15位以内が条件

   今回JBCが発表したインドネシア人ボクサーの招へい手続きにおける規定は次の通りだ。

   (1)世界王座認定の4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)の発表する最新ランキング15位以内。東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)、WBOアジアパシフィックの最新ランキング15位以内、且つ、原則として2カ月以上ランクされている選手。

   (2)招へい予定の選手の戦績証明書については、BOXREC(世界各国のボクサーの戦績などをアップしている海外サイト)の戦績提出をもって、それを公式戦績とする。

   JBCの規定では、2月1日からインドネシア人ボクサーはインドネシアの国内ランカーであれ日本では試合ができず、世界、東洋レベルの選手でなければ日本のリングに上がることが出来ない。JBCはなぜインドネシア人ボクサーの招へい規定を厳格化したのか。J-CASTニュース編集部は、JBCにその理由などを聞いた。

無気力試合、実力不足、体重超過、複数リングネームも

   J-CASTニュース編集部の取材に対応したJBC職員は「(インドネシア人ボクサーの)ファイトぶりや、書類に関する問題もあります。現地コミッションが発行する戦績は信ぴょう性に欠けたものもあり、総合的に判断した結果、このようなルールを2月1日から運用させていただくことになりました」と説明した。

   日本ボクシング界では、タイトル戦を控えた選手の調整や有望若手に自信を付けさせる目的などで、海外から選手を招へいし対戦させるケースが見られる。その多くはタイ、フィリピンなど東南アジアの選手で、関係者の間では「かませ犬」と呼ばれる存在だ。その一方で、これら選手の度重なる無気力試合、実力不足、体重超過、同一人物による複数リングネームの使い分けなどが問題視されてきた。

   JBCは海外からの招へい選手が、無気力試合などを行った場合、対象選手を招へい禁止選手に指定し、JBCの許可が出るまで招へいが禁じられる。JBCの発表によると、2004年から2015年まで招へい禁止選手が30人を超えることはなかったが、2016年にその数が急増。16年は50人、17年は61人に達した。18年はタイ人ボクサーの規制をしたため23人まで減り、19年は27人だった。

6戦全KO負けの選手も...

   招へい禁止選手は減少傾向にありつつも、タイ人ボクサーの招へいを規制したことにより、インドネシア人ボクサーの「需要」が高まり、これに伴いインドネシア人ボクサーの招へい禁止選手が増加した。18年は4人だったインドネシア人ボクサーの招へい禁止選手が、19年は3倍以上の13人まで増えた。招へい禁止となったインドネシア人ボクサーのなかには、日本で6戦して全てKO負けの選手もいる。

   JBC職員によると、海外選手の招へい申請は年間200件ほどあるという。そのうちJBCが招へいを認可するのは、3分の1から4分の1程度だという。JBC職員は「JBCとしても海外からの招へい選手の数を減らそうというつもりはありません。ファンの方々により良い試合を提供したいと思っております」と話した。

   海外からの招へい選手の規定厳格化を現場のボクシングジムはどうとらえているのだろうか。J-CASTニュース編集部は協栄ジムの会長として数々の興行をプロモートしてきた金平桂一郎会長(54)に話を聞いた。

「必要悪という部分はあるかもしれません」

   金平会長は「今はインターネットなどの発達でファンは様々な情報を得ることが出来ますし、マッチメイクに関してファンの方々の突き上げも厳しいものがあります。規定に関しましては、今回のようにインドネシアなど地域を限定せず、選手の質を見て決めた方が良いのではないでしょうか」と話した上で、「選手によっては国内選手とのマッチメイクが難しいケースもありますので、必要悪という部分はあるかもしれません」と話した。

   過去には無名時代のマニー・パッキャオ(フィリピン)が日本のリングに登場し、衝撃の1回KO勝利を飾っている。パッキャオの躍進によりフィリピン勢のレベルがアップし、招へい禁止リストに入っているフィリピン人ボクサーはここ最近、激減している。JBC職員は「近年のフィリピン人選手は非常にレベルが高く、日本人選手もかなわないような選手が多くいます」と話した。

   現在の日本ボクシング界は井上尚弥(大橋)や村田諒太(帝拳)らの活躍により、ボクシングファンのすそ野が広がり人気回復の兆しを見せている。また、多くの海外メディアから2019年度の年間最高試合に選出された井上VSドネア戦など世界トップクラスによる試合を観戦する機会が増え、これまで以上にファンの目は肥えてきている。今回の規定厳格化が日本のボクシング界にどのような影響を及ぼすのか。業界の今後が注目される。

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