2021年 5月 9日 (日)

再処理工場「合格」したが... 核燃料サイクルの見通し、立たないまま

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プルトニウムの消費を増やすのは容易ではない

   一方、現在、プルサーマル発電を実施している原発は四国電力伊方3号機(愛媛県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)と九州電力玄海3号機(佐賀県)の4基だけで、プルトニウムの消費量は合計で年2トン程度にすぎない。プルトニウムを増やさないために年7トンの再処理分を年々消化するために、全国16~18基でプルサーマル発電をする必要になる計算だが、安全審査や地元同意を得られず再稼働の見通しがたたない原発が多い。3.11後、稼働していた54基のうちすでに20基以上の原発の廃炉が決まっており、プルトニウムの消費を増やすのは容易ではない。

   プルサーマルを含む原発の動向は原燃の経営、ひいては存在意義にも関わる。すでに再処理工場の建設費は2.9兆円と、当初予定の7600億円の約4倍に膨らんでいる。完成後40年間の運営費や廃炉費などを含めた事業費全体では約13兆円を上回ると見込まれ、計画通りに進まなければ、さらに増えていく。また、プルサーマルが滞れば、プルトニウムを増やせない以上、再処理工場の稼働を落とすしかなく、原燃の経営効率は低下する。こうした費用は電力会社が、持ち込む使用済み核燃料の量に応じて負担するが、原資は、電力利用者が負担する電気料金だ。

   核燃サイクルという「国策」を、電力会社の出資する日本原燃に担わせる「民営」という原子力政策の矛盾は、よく指摘されるところだが、そのツケは電力料金の形で国民に回る。「いくつも建設されてきた原発と違って、世界でも数が少ない再処理工場は、過去の事故による教訓なども少なく、今後も順調に稼働できる保証はない」(大手紙科学部デスク)というから、国民負担がさらに増える可能性もはらんで、四半世紀前に立てられた再処理計画が進む。

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