2020年 10月 1日 (木)

ふるさと納税、コロナ禍で異変 あの「定番」返礼品も半額寄付で

ホットでもアイスでも美味しい。季節にあわせて楽しめる、大正製薬の乳酸菌が入ったごぼう茶。

   新型コロナウイルスの影響を受けて、ふるさと納税の返礼品に変化が生じている。あの「定番」返礼品は、一部で必要寄付額が半額になるなど「お得」に。一方で、返礼品を伴わないクラウドファンディング型の寄付も伸びている。何が起きているのか。

   ふるさと納税情報サイトの「さとふる」の広報担当・坂平由貴さんによると、今年4~6月の寄付額は、前年同期比で約1.5倍も増えた。「新型コロナウイルス感染拡大による社会変化で、家で過ごす方が増えた結果、ふるさと納税にも影響が出ていると考えられる」(同・坂平さん)という。「楽天ふるさと納税」でも、「3月以降、寄付額・件数ともに大幅に伸びております」(広報担当の玉城潤一さん)という。

  • ふるさと納税の「定番」も新型コロナウイルスの影響で異変?(イメージ、楽天ふるさと納税から)
    ふるさと納税の「定番」も新型コロナウイルスの影響で異変?(イメージ、楽天ふるさと納税から)
  • 愛知県日進市はふるさと納税の返礼品に飛沫防止パネルを加えた(市提供)
    愛知県日進市はふるさと納税の返礼品に飛沫防止パネルを加えた(市提供)
  • ふるさと納税の「定番」も新型コロナウイルスの影響で異変?(イメージ、楽天ふるさと納税から)
  • 愛知県日進市はふるさと納税の返礼品に飛沫防止パネルを加えた(市提供)

アイデアマスクから飛沫防止パネルまで

   その背景の一つにありそうなのが、返礼品として並ぶ、マスクだ。ふるさと納税情報サイトの「ふるさとチョイス」から検索すると、数百点のマスクや関連グッズがヒットした(2020年7月3日時点、同じ自治体が複数のマスクセットを出している事例あり)。必要寄付額は最低3000円(2枚セット)から100万円(洗えるマスク819枚セット)までと、さまざまだ。地元産の織物などを使った手作りマスクや、夏向けに冷感素材を使ったマスクも。ふるさとチョイスを運営するトラストバンクの広報担当・田中絵里香さんは「各地の事業者が創意工夫を凝らして様々なデザイン、アイデアのマスクを出品している」と話す。同社によると、今年5月のマスクや関連グッズの新規登録数は474件で、4月(208件)に比べて約2・3倍に増えたという。

ふるさと納税情報サイトでは、マスクが返礼品として多く出されている(ふるさとチョイスから)
ふるさと納税情報サイトでは、マスクが返礼品として多く出されている(ふるさとチョイスから)

   感染防止のためのグッズでは、飛沫防止パネルも返礼品として登場した。愛知県日進市が庁舎内で使うため、地元の木工家具店と自動車関連の樹脂加工業者の2社に依頼してつくったオリジナル製品だ。来庁者から「どこで買えるのか」などと好意的な問い合わせが多かったことを機に返礼品に出すことを決めた。高さや幅などが違う6種類のパネルが用意され、必要寄付額は2万7000円から。同市財務政策課の桃原勇二主幹は「新しい生活様式を返礼品で応援するとともに、熟練した職人さんがいる日進市を全国にPRしたい」と話す。

愛知県日進市が返礼品にした飛沫防止パネル(市提供)
愛知県日進市が返礼品にした飛沫防止パネル(市提供)

給食食材や相場下落の高級牛肉も

   各ふるさと納税情報サイトの担当者によれば、新型コロナ禍の影響で売り上げが減った産業や事業者を応援する趣旨の寄付も増えているという。例えば、2月から小中学校が全面的に臨時休校となり、給食用の食材の納品が相次いでキャンセルとなった事業者。日持ちしない牛乳や肉類などを大量に廃棄せざるを得なくなり、売り上げが立てられない上に廃棄費用も生じるなどの悪影響が出た。

   また、給食向けに限らず、ふるさと納税の「定番」とも言える牛肉などのように、外食や観光客向けの高級食材なども、外出や移動自粛の余波を受けて、行き場を失ったり、流通価格が下がったりした。こうした食材は新型コロナ禍前から返礼品に多かったが、コロナ後は返礼品の内容はそのままに、寄付額を引き下げたり内容量を増やしたりする例が出始めている。

   例えば、佐賀県伊万里市は特産の伊万里牛のロースブロック肉1キログラムが、コロナ後の必要寄付額は通常の半額以下の4万円と、「お得」になっている(2020年7月3日時点)。

宮崎県都城市が返礼品に出している牛肉(イメージ、楽天ふるさと納税から)
宮崎県都城市が返礼品に出している牛肉(イメージ、楽天ふるさと納税から)

   ふるさとチョイスの場合、こうした事業者を応援するための「新型コロナウイルス被害に関する支援」プロジェクトを始めた3月4日以降、6月15日までに、新規で8万件を超える寄付があったという。

「医療従事者を応援したい」 クラウドファンディングも相次ぐ

   返礼品目的だけでなく、純粋に支援をしたいという思いからの寄付も増えているようだ。例えば、ふるさと納税の制度を利用して、自治体を通じて影響を受けた産業を支援するクラウドファンディング。税制優遇は受けられる一方で返礼品はもらえないにもかかわらず、各ふるさと納税情報サイトを通じて多くの寄付が寄せられている。

   北海道が4月24日から、コロナ対策に当たる地域医療を守るために、医療用資機材の整備費などへのふるさと納税の寄付を募るクラウドファンディングを始めたところ、開始翌日には目標寄付額5000万円を達成。7月1日現在で個人からの寄付金は目標額の4.6倍の2億3000万円を超えた。担当する北海道官民連携推進室の後藤茂徳さんはこう話す。

「ちょうど北海道内で新型コロナの第2波が来た頃に始めたのですが、当時は道内の医療従事者が大変苦労していました。『少しでも応援したい』ということで、特に北海道内の方から多くの寄付が集まりました」
北海道が医療従事者支援のための支援を呼びかけるウェブサイト
北海道が医療従事者支援のための支援を呼びかけるウェブサイト

   ところで、ふるさと納税の寄付の上限額は、その年の年収などに応じて決まる。そのため寄付は例年、年収額が固まる年末に集中することが多い。しかし、今は在宅ワークなどで比較的時間に余裕がある人が多い。お得な返礼品目当てでも、苦境に立たされている事業者支援でも、その両方の目的でも、寄付先や内容を熟慮するにはいいタイミングと言える。

   年収減が見込まれる世帯もあるだろうが、ふるさと納税サイトの、寄付の上限額が試算できる機能を使えば、目安がわかる。

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