2024年 4月 27日 (土)

なぜ?ほんこん・ラサール石井に「おもんない」指摘 「落ち着けドナルド」めぐるツイート騒動の背景

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   お笑い芸人のほんこんさん(57)2020年11月6日に行ったアメリカ大統領選挙についてのツイートがネット上で話題だ。

  • お笑い芸人のツイートは、かくも難しい!?(写真はイメージ)
    お笑い芸人のツイートは、かくも難しい!?(写真はイメージ)
  • お笑い芸人のツイートは、かくも難しい!?(写真はイメージ)

「目上の方に申し訳ないですが・・・」

   この日、ほんこんさんは5日(現地時間)にスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(17)がトランプ大統領(74)に対して、「落ち着けドナルド」といった発言を行ったことに対し、「トランプ大統領は落ち着いてると思うがそれより目上の方にそんな物言いは?」とツイート。これに対しては、賛成の声が集まった一方で、

「目上の方に申し訳ないですが・・・やっぱり ほんこん、おもんないです」
「ほんこんさんまたおもんないこと言うてはるみたいやけど、要はマナー云々っちゅーピンボケしたツッコミしか思い付かなかったやね」

といったツッコミが殺到してしまったのだ。

   というのも、当該のグレタさんの発言は2019年12月にグレタさんが米誌「TIME」の「今年の人」に選出された際にトランプ大統領が放った「落ち着けグレタ」というツイートに対する意趣返しだったのだ。つまり、ほんこんさんはそれに気付かなかったのか、はたまた知っていたうえで無視したのか、とにかく、上記のツイートをしてしまったわけであり、このため、ネット上には「相手の言葉をそのまま返しただけだよね」といった声も上がったほどである。

   ただ、話はここで終わらなかった。

   7日、お笑い芸人のラサール石井さん(65)はツイッターで、ほんこんさんの発言を報じるニュース記事を引用ツイートしつつ、

「世界規模の二人の皮肉のやり取りに上から目線で割って入るって。『トランプ』『グレタ』『ほんこん』という図式ってこと?凄いな。グレタさんが一字一句変えないからジョークが成立してるんだけどな」

とツイート。さらに、「にしてもちょっと伸びたヒゲ面キープしてるけど気に入ってるんかな」と、記事に添付された写真をいじるなど、ほんこんさんを皮肉る動きを見せたのだ。ただ、これらに対しても、

「ラサールさん、おもんない」
「......それを皮肉るラサールさんはもっと偉いのかな? すご~い。※棒読み」
「ほんこんにとってラサールなんてアウトオブ眼中だから。構うこともないよ。そもそもTwitter活動家が芸人に嫌がらせすんなよ」

といったツッコミが殺到してしまったのだ。当人たちからしてみれば、面白さを狙ったツイートではなさそうだが、結果的に少なからぬツイッターユーザーから「おもんない」との判定を受けた状況だ。お笑いタレントの政治に関係する意見表明にこうした反応が相次いでしまうのは、いったいなぜなのか。J-CASTニュース編集部はITジャーナリストの井上トシユキ氏にその謎について話を聞いた。

視聴者から課せられた「高いハードル」を飛び越えられないと...

   まず、井上氏は、お笑い芸人が普段からおかれている「立場の特殊性」を挙げつつ、お笑い芸人が「おもんない」とツッコまれてしまう理由を説明した。

「『これぞお笑い芸人の宿命』と言えばそれまでですが、やはり、お笑い芸人はテレビでの発言はもちろん、ツイッター上においても常に『おもしろくあること』を視聴者から要求されています。翻って、今回の2人のツイートですが、『トランプ大統領は落ち着いてると思うが』『グレタさんが一字一句変えないからジョークが成立してるんだけどな』と、どうにも『普通』。一般人から『俺でもツイートできる』とすら思われかねません。これでは『おもんない』のそしりは免れられないでしょう」

   続けて井上氏は、視聴者からお笑い芸人に向けられる「期待感」こそが、「おもんない」とのツッコミが殺到してしまう理由であると、次のように説明した。

「このように、お笑い芸人に対しては視聴者から相当高いハードルが常に課せられているわけですが、仮に、このハードルを越えることができたならば、今度は逆に称賛されるのです。芸人も一有権者なので、政治に対しては『普通過ぎるツイート』や『マジレスのようなツイート』をしても何ら問題はないのですが、やはり、視聴者は『面白いツイート』『ギスギスを解消してくれるツイート』を期待しているのです」

「そう考えると、例えば、大阪都構想否決の速報の直後など、視聴者がギスギスした感情を抱いている最中に『フフッ』っと笑えるツイートをしたりしたら、絶賛の嵐となったのではないでしょうか。お笑い芸人は『普通な発言が許されない』という、多少気の毒な職業ということになってしまいますが、やはり、そこは視聴者からの期待が表れているからこそのハードルの高さなのです」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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