2024年 4月 19日 (金)

美容師が客の顔をランク付け 原宿の美容室が「不適切表現」認め謝罪、本人は謹慎処分に

   東京都内の美容室で働く男性美容師が、スマートフォンのスタッフ予約アプリ「minimo」で主に女性客に顔写真を送らせ、ランク付けして可否などを判断していたとして、この美容室が釈明に追われる騒ぎになっている。

   美容室の店長によると、一般客ではなく撮影モデルなどになるメニューでのことだったという。ただ、この美容室は、「不適切表現」があったとしてオーナーのツイッターで謝罪した。

  • 客の顔ランク付けの目的は?(写真はイメージ)
    客の顔ランク付けの目的は?(写真はイメージ)
  • 客の顔ランク付けの目的は?(写真はイメージ)

Sランクは「全て無料」、Dランクは「カットのみ」

   顔のランクには、トップの「s」から「A」「B」「c」「D」まであった(ランクの表記は原文ママ)。sは「全て無料」で、A、B、cは、カラーやトリートメントに違いがあり、Dは「カットのみ」と書かれていた。

   このminimoでのやり取りは、2021年2月16日にツイッター上で報告され、利用客と見られる女性は、ありえないことだと怒りを露わにしている。

   男性美容師は、渋谷区内の美容室「navile原宿」のスタッフで、経験4年の「人気No.1」とうたい、問い合わせの段階で顔が分かる写真を送るよう求めた。それを見て施術を行うか決めるとし、あるメニューでの予約に当たっては、先述のランク条件を挙げ、「かなり審査レベルは高い」とした。

   女性による投稿は、1万件以上もリツイートされ、様々な意見が寄せられている。厳しい声の方が多く、「酷すぎ...」「むしろ顔に自信が持てない子をかわいくしてこそ美容師でしょ」「同じ美容師として悲しい」などと書き込まれている。

   これを受けて、美容室のオーナーや各店長が16日のうちにツイッターを更新し、男性美容師が個人で管理していたアプリの投稿内容を自分たちが把握していなかったとして、「この度はこの様な失礼な文面、内容での掲載で不快な気持ちにさせてしまい本当に申し訳ございません」と謝罪した。監督不行き届きも認め、本人には投稿を止めさせたと説明した。minimoの個人アカウントは、24日夕現在では削除されている。

「本人のSNSで、注力したいヘアスタイルの投稿を増やすため」

   男性美容師も2月16日、自身のツイッターで、「お客様を見た目で判断する様な対応をしてしまった」と認め、「この度は、アプリminimoにて 私の軽率な行動により沢山の方に不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。

   しかし、その後も、この美容師や美容室へのクレームは止まなかった。

   自分の顔写真を送っても、イメージと違うとして予約をキャンセルされたとアプリでのやり取りの画像を投稿する人も現れた。また、予約に当たって、客のインスタグラムなどのフォロワー数に条件を付け、無料とするのは5万人以上などとするやり取りの画像もアップされるなど、ネット炎上が続いた。

   美容師は、自らのインスタで、月に最高で300人から指名される実力だと紹介し、ヘアスタイルの写真を投稿するたびに、自ら開設したとみられるいくつかのアカウントから「いいね」やコメントを付けていた。

   こうした騒ぎを受けて、美容室のオーナーは23日、「弊社従業員の不適切表現に関するお詫び」と再度の謝罪文をツイッターに投稿した。

   そこでは、美容師が客の顔をランク付けした理由について、次のように説明した。

「今回の行動の意図を確認したところ、本人のSNSにおいて、本人が注力したいと考えているヘアスタイルに関する投稿を増やすために行ったものであるということを確認致しました。また、Instagramのコメント欄への本人によるコメントも、PV数を上げるためのものであることを確認しました」

   そのうえで、会社が容貌による差別的な対応を許容したことは一切ないとして、本人に厳重注意のうえ自宅謹慎としてもらっていると明かした。今後は、一から指導するとしている。

店長に事情を聞くと...

   navile原宿の店長は2月24日、J-CASTニュースの取材に対し、男性美容師は、2020年1月ごろから働き始め、そのランク付け行為は、一般客にではなく撮影モデルなどになる人に条件を付けSNSの投稿を充実させるのが目的だったと聞いていると説明した。

   minimoを運営するミクシィの広報グループは同日、ランク付け行為をどう見るかなどについて、「美容室側との契約内容にもかかわる内容ですので、一律に開示いたしておりません」と取材に答えた。また、ランク付けの内容についても、「当該美容師が個人的に管理されていた内容につき、当社においては一切の把握をしておらず、回答ができかねます」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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