2024年 4月 26日 (金)

ヒルナンデス「IKEA椅子破壊事件」なぜ今も語り草? 「致命的アクシデント」笑いに変えたオードリー

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   お笑いコンビ・オードリーの春日俊彰さんと若林正恭さんが情報番組「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)で視聴者プレゼント用の椅子を壊した事件から6年が経った。ツイッター上では「#オードリー椅子破壊記念日」というハッシュタグが拡散されるなど、かつての出来事を懐かしむ人が相次いだ。

   6年前の出来事が、なぜ今も語り継がれているのか。お笑いに詳しい識者は「今の時代にはありえないほど致命的なアクシデント」だったとしつつ、オードリーが見せた「笑いの基本」に対する姿勢が「なぜか笑えてしまう」状況を作り出したと分析する。

  • オードリー(2016年撮影)
    オードリー(2016年撮影)
  • オードリーが壊したIKEAの「ポエング」(IKEA公式サイトより)
    オードリーが壊したIKEAの「ポエング」(IKEA公式サイトより)
  • オードリー(2016年撮影)
  • オードリーが壊したIKEAの「ポエング」(IKEA公式サイトより)

オードリー若林「壊れましたー」

   事件は2016年2月24日の「ヒルナンデス!」で起こった。この日、オードリーの2人は視聴者プレゼントのコーナーで、家具量販店・IKEAの椅子「ポエングアームチェア」を紹介。軽快な掛け合いで商品の特徴を説明する中、若林さんは「お店で行われている630万回以上のテストに耐えたということで...」と椅子の耐久性について切り出した。

   これに春日さんは「630万回だって、アッハッハハ...」と高笑い。その耐久性を確かめるべく、椅子に勢いよくもたれはじめる。若林さんも春日さんの体を押して、椅子に負荷をかける。「フゥー!フゥー!」と甲高い声で、椅子を揺らすほどの勢いで飛び掛かる春日さん。しかし、やがてバキッという鈍い音とともに椅子の脚が折れ、春日さんと若林さんは床に叩きつけられてしまった。

   まさかの出来事に、スタジオは悲鳴と笑いが入り混じった異様な空気に。MCの南原清隆さんは「やりすぎてしまいました」と頭を下げ、水卜麻美アナは笑いをこらえながら「大変申し訳ありません。使い方は正しく守ってください」と視聴者に呼び掛けた。若林さんは「壊れましたー」と椅子の状態を報告。小島瑠璃子さんは腹を抱えて笑っていた。

   放送直後、ツイッター上では「何回見ても笑っちゃう」「そりゃ壊れるだろ」「あとでめちゃくちゃ怒られるでしょwww」「逆にその椅子欲しくなったよ」など多くの反響があった。630万回以上の耐久テストに耐えた椅子が壊されたイケア・ジャパンのPR担当者は当時、J-CASTニュースの取材に、春日さんの使い方は「許容範囲を超えた使い方になると思います」と答えていた。

放送後も続いた関係、他番組でもネタに

   事件の後も、オードリーとポエングの関係は続いた。17年9月20日の放送では、オードリーの2人がIKEA新三郷(埼玉県三郷市)を訪れ、ストアマネージャーに頭を下げて事件を謝罪。担当者が手を差し出すと、春日さんも「ありがとうございます」と手を握り和解した。このときの放送で、ストアマネージャーは「椅子破壊回」後の反響について「お客さんいっぱい来ていただいて、試していただいて、たくさん買ってもらいました」と話していた。

   その後もヒルナンデス!ではポエングがたびたび登場。オードリーの前に椅子が現れるとスタジオがざわつき、それを気にせず春日さんが思い切りよく座るという「お約束」が繰り返された。

   余波は他局の番組にも及んだ。21年3月に放送された動物バラエティ番組「どうぶつピース!!」(テレビ東京系)では、春日さんが座っていた木の椅子の座面を破壊。若林さんが「お前よく椅子壊すな!」と突っ込むと、テロップには「IKEA事件再び」の文字が踊った。

   やがて事件は、人々の間で「語り草」になっていく。ツイッター上では2年前から、2月24日になると「#オードリー椅子破壊記念日」というハッシュタグが拡散され、事件を懐かしむ動きがはじまった。大手ポータルサイトのライブドアニュースも、2月24日になると公式ツイッターで「あれから5年」(21年)、「あれから6年」(22年)といった具合に、時の流れを伝えている。

   今年もツイッター上では「もう6年も経つのか」「どんだけ愛されてんだよ!」などの声が聞かれた。当時スタジオで大爆笑していた小島さんも、ツイッターで「あの瞬間に立ち会った奇跡 オードリーさんも大好きだし、その後の対応が心広いIKEAさんも大好き」と振り返っている。

「今のテレビ界では本当に珍しい奇跡のようなハプニングだった」

   なぜ、「椅子破壊事件」は語り継がれるのか。お笑い評論家のラリー遠田氏は2月25日、J-CASTニュースの取材に「多くの視聴者にとって忘れられない印象的な出来事だったからでしょう」とし、次のように見解を示す。

「昨今のテレビでは、コンプライアンスが重視されていて、出演者もスタッフも予測外のトラブルやハプニングが起きないように気をつけています。問題が発生しないように何重にも保険がかけられているので、ほとんどの番組が滞りなく進行していきます。そんな中で、企業がプレゼント商品として提供してくれた椅子を生放送で壊してしまったというのは、それだけで今の時代にはありえないほど致命的なアクシデントです」

   「致命的なアクシデント」だったにもかかわらず笑いが起きたのは、なぜなのか。

「何をしても壊れないと評判の椅子だということを伝えた直後に壊れてしまったということで、笑いの基本である『フリとオチ』がしっかりしているので、深刻なトラブルにもかかわらず、なぜか笑えてしまうのです。そんなトラブルを起こしてしまったのが、右も左もわからない新人タレントではなく、すでに人気も確立した実力派芸人のオードリーであるというのも面白い。椅子破壊事件は、今のテレビ界では本当に珍しい奇跡のようなハプニングだったのです」
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