新幹線や電車では、子どもの声やベビーカー利用をめぐるトラブルがたびたび起きている。
全国私立保育連盟が2025年5月に調査が行われた『「もっと子育てしやすい社会へ」アンケート2025』の結果には、「外食、電車、公共の場での子どもの泣き声・騒ぎへの冷たい視線や苦情に心が疲弊」「電車の座席やエレベーター利用の理解が欲しい」といった声が寄せられている。
東京都内在住の佐藤真理子さん(仮名・40代)は、新幹線の車内で忘れられない光景を目撃した。
微笑ましい母と子の様子が一変...突然始まった説教
4月の週末の出来事だった。佐藤さんは、新幹線の自由席に乗車していた。車内はほぼ満席だった。
三人掛けの座席に座っていたところ、隣へ赤ちゃんを抱いた若い母親と、50代後半くらいの男性が座ったという。東京駅を出発してしばらくすると、眠っていた赤ちゃんが目を覚ました。
「あー」
「ぱっ」
小さな声を出していたものの、泣いているわけではなかった。ぐずる様子でもなく、母親も周囲をかなり気にしている感じだったそうだ。
「赤ちゃんへやさしく頷きながら、お母さんは様子を見守っていました。私は微笑ましいなと思って見ていたんです」
ところが、その空気を壊すように通路側の男性が突然――。
「あのさぁ、赤ん坊がうるさいんだよ」
車内の空気は一変。さらに男性は言葉を続けた。
「最近の母親はダメだよね。子連れなら何でも許されると思ってる」
男性は、片方の口角を不自然に上げながら、母親へネチネチと言葉を浴びせたそうだ。
「反論できなさそうな相手を選んでいる感じがして、(その光景を見ていた私も)イヤな気持ちになりました」
母親が困った表情を見せるほど、男性は調子づいていった。
「俺なんか子どもが騒いだら、すぐデッキに連れて行ったけどね。今はそういうのしないの?」