2024年 4月 26日 (金)

「緑色ジャガイモ」食べて救急搬送、食中毒に苦しむ 「知らなかった」の声も...農水省に聞く注意点

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   中まですべて緑色になったジャガイモを調理して食べたところ、食中毒になって救急搬送された、との体験談がツイッターに投稿され、関心を集めている。

   緑色の部分に含まれる天然毒素のソラニンやチャコニンによる作用だ。農林水産省では、「ジャガイモによる食中毒を予防するために」と題して公式サイトで注意を呼びかけている。

  • 食べると食中毒症状になったジャガイモ(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)
    食べると食中毒症状になったジャガイモ(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)
  • 他のジャガイモを切ると、こんな緑色に(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)
    他のジャガイモを切ると、こんな緑色に(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)
  • 食べると食中毒症状になったジャガイモ(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)
  • 他のジャガイモを切ると、こんな緑色に(写真は、らぴ☆すまいる!@rapismileさん提供)

キッチンの照明が薄暗かったため気づかなかった

   食中毒の体験については、「らぴ☆すまいる!」さん(@rapismile)が2022年3月27日からリアルタイムでツイッターにつづった。

   ツイートやJ-CASTニュースが31日に取材して聞いたところによると、らぴさんは27日20時半ごろ、親戚からもらったジャガイモをゆでるなどして、明太子とバターで調理し、2個を食べた。ジャガイモの中は、全体が薄い緑色になっていたが、らぴさんは、キッチンの照明が薄暗かったため気づかなかったという。渋くておいしくないと思いながらも、2個目の途中で気持ち悪くなるまで食べ続けた。

   食後30分して、酷い吐き気に襲われ、舌とノドのしびれや指先の震えまで出た。他の切ったジャガイモを明るい部屋に持っていくと、中全体が緑色と分かったが、新種のジャガイモだと思い込んだとも明かす。

   ツイッターでこの症状を書き込むと、食中毒の可能性があるため救急安心センター♯7119番に相談すべきとの指摘があった。そこで、らぴさんは相談し、同日23時半ごろに救急車で病院に運ばれた。病院では点滴を受けるほどの症状だった。薬を処方されて帰宅したが、翌日も下痢や腹痛に悩まされて寝込んでしまい、食べてから1日半経ってやっと症状が軽くなったとしている。

   農水省サイトの注意呼びかけによると、ジャガイモの芽や、光が当たって緑色になった皮などには、ソラニンやチャコニンが多く含まれている。ジャガイモをゆでても、ソラニンなどは分解しないという。この部分を取り除かないで食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがある。多量に摂取すると死ぬ可能性があるともしている。

   同サイトでは、小学校の調理実習などで食中毒が毎年起こっているとし、奈良県内の小学校では15年1月22日、校内で栽培・収穫したジャガイモを調理して食べた51人のうち31人に吐き気や腹痛などの症状が出たことを挙げた。

日の当たるところに置くと、表面から緑色に変化

   ツイッター上では3月12日、中がキウイのような緑色をしたジャガイモでポテトチップスを作ろうとして、ネットで調べたところ食べないように書いてあったとの投稿が話題になり、ネットニュースにもなっていた。投稿によると、日が当たる玄関横のダンボール箱に入れてあったジャガイモだという。

   らぴさんは、この投稿に気づかず、ツイッター上で後から指摘されて、「先に見ておきたかった」と漏らしていた。ジャガイモがどこで緑色になった可能性があるかについては、取材にこう答えた。

「心当たりはまったくありません。親戚がさらに親戚から貰ってきたもので、ジャガイモの元の持ち主と私は直接面識がなく、どのように入手したのかいつ入手したのか保管はどうしていたのかなど全くわかりません。私は貰ってすぐに食べたのですが、貰った時点ですでにこのような色でした。また、一部でなく全部のジャガイモがこの状態であり、芽も生えていなかったので、見た目での異変に気がつきませんでした」

   この親戚がジャガイモを購入したのか自家栽培なのかも不明だという。らぴさんは、「ツイートの反応の多くが『知らなかった』『これくらいなら食べていた』というものが多かったので、注意喚起としてぜひ取り上げていただきたいです」としている。

   ジャガイモの中全体が緑色になったことについて、農水省農林水産技術会議の研究統括官室では3月31日、J-CASTニュースの取材にこう話した。

「ジャガイモを買った後、日の当たるところに置いておくと、表面から緑色に変化していきます。光合成が起こって、緑の色素が増えるからです。緑色ほど毒素も多くなります。地面の浅いところにあるジャガイモも、土が取れたりしたときに変色します。家庭菜園で育てた未熟なジャガイモを食べますと、食中毒が起きやすくなりますね」

   厚労省の食中毒室に31日に取材して聞いたところでは、2012~21年までの10年間で、ジャガイモによる食中毒が計17件報告された。これまでに、死者は出ていないという。最近では、19年に1件あったものの、20、21年は食中毒が起きていないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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