今季ワーストタイの借金4と失速している巨人。その中で絶好調なのが中田翔だ。7月の月間成績は打率.404、5本塁打、9打点。最近4試合は16打数11安打で打率.688、３本塁打と「打ち出の小槌」状態だ。「巨人打線の中で一番怖い打者」「2度目のファーム降格から戻ってきた後にバットを少し短く持つようになり、明らかに打撃が変わった。外角の球をセンターから逆方向に安打を打てるようになり、ヒットゾーンが広がりましたね。甘いコースに来ればきっちりスタンドに運ぶ。巨人打線の中で一番怖い打者が中田です」（他球団スコアラー）日本ハムから巨人にトレードで途中加入した昨季は34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点。期待を裏切る形となり、オフは体重110キロ前後まで20キロ増量と肉体改造して今季に臨んだ。しかし、打撃の状態が上がらず2度の登録抹消。崖っぷちに立たされたが、完全に息を吹き返した。「6番・一塁」でスタメン出場した13日の阪神戦（甲子園）で2回に適時失策を犯した直後に交代を命じられたが、その後も打ちまくり、打率.277、12本塁打、32打点。187打席で12本塁打と15.6打席で1本のペースでアーチを量産している。悩ましい増田陸の起用法中田の活躍は喜ばしいことだが、気になるのは若手成長株・増田陸の起用法だ。プロ4年目の今季は育成契約からはい上がり、3月11日に再び支配下昇格。5月5日にプロ入り初の一軍昇格を果たすと、5月下旬から一塁のレギュラーに定着した。坂本勇人を彷彿とさせる打撃スタイルで得点圏打率.321と勝負強さを兼ね備えている。7月に入り月間打率.174、1本塁打、3打点と調子を落として一塁のレギュラーを中田に再奪取されたが、スポーツ紙記者は「若手は実戦で使い続けることで成長する。増田陸をベンチに置くのはもったいない。来季以降を見据えて外野での起用を検討してもいいと思います」と提言する。中田翔と増田陸。今後は2人を同時スタメンで起用する可能性があるかもしれない。（中町顕吾）
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