2022年 11月 29日 (火)

「命を守ってんだ、止まれ!」駅に花火客殺到で阿鼻叫喚 「異常な状態でした」警備が語る現場の混乱

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   京都府亀岡市内で3年ぶりに行われた「保津川市民花火大会」で、打ち上げ中にJR嵯峨野線・亀岡駅近くの線路に人が立ち入り、電車が一時ストップして駅に人があふれる事態になった。

   駅の階段では、怒声が響くほどの混乱が一時あったが、駅員や警備会社の幹部が呼びかけた結果、ケガ人などは出なかった。その様子を撮った動画がツイッターに次々投稿され、大きな反響を集めている。

  • 花火帰りの人たちに呼びかける駅員(たまねぎ@AT20210522さんの動画から)
    花火帰りの人たちに呼びかける駅員(たまねぎ@AT20210522さんの動画から)
  • 花火帰りの人たちに呼びかける駅員(たまねぎ@AT20210522さんの動画から)

「具合悪いの、前出てこい! 私の言う通りにしなさいよ」

   「押さないで!」JR亀岡駅北口の階段は、花火帰りの客であふれ、こんな悲鳴が上がる。そんな中、階段の上から、駅員がマイクを持って、必死でこう呼びかけた。

「子供さんもいらっしゃるので、止まって下さい! 止まって下さい!」

   花火は、2022年8月11日19時30分から1時間にわたって打ち上げられ、約8000発が夜空を彩った。ところが、JR西日本によると、その最中の20時ごろ、亀岡―並河両駅間の線路に人が立ち入り、電車が一時ストップした。その影響もあってか、駅構内や周辺に花火帰りの人たちが集中して身動きもできない状態になった。

   その様子を撮った動画がツイッターに投稿され、前出のようなシーンが映っていた。

   駅員は、怒声を発した人を「お客様、落ち着いて下さい」と説得し、花火帰りの人たちには、「今階段にいる人たち上がって下さい」「階段の手前で止まって下さい」と必死に呼びかけた。

   ツイッターでは、別の動画も投稿されており、そこでは、「ALSOK」と大手警備会社の名前が入ったベストを着用し、白い帽子を被った男性が、ノーマスクでマイクを持って花火帰りの人たちに駅の階段で声を張り上げていた。

   制止を聞かずに先へ行くマナーの悪い人たちも続出したためか、言葉遣いはやや荒くなっている。「具合悪いの、前出てこい! 私の言う通りにしなさいよ」と呼びかけ、誘導のための指示を始めた。

「異常な状態の中で、言葉も汚くなって反省しています」

「まず、前から3人目だけ、ゆっくり来て下さい。前から3人だぞ! 3列だけ、そこで止まりなさい」

   警備員の制服でなく比較的ラフな服装の男性が、命令調で花火帰りの人たちに呼びかけるだけに、笑い声も時折漏れた。 それでも、先へ行こうとする人がいると、男性は、「命を守ってんだ、止まれ!」「子供が優先だ!」と一層声を張り上げていた。

   ツイッター上では、この男性は、大手警備会社の子会社「アルソック京滋(けいじ)」(京都市)の公式サイトに出ていた写真などから、同社の永野正社長(64)ではないかと話題になった。

   永野社長は8月12日、J-CASTニュースの取材に応じ、動画の男性は自分だと認めたうえで、次のように話した。

「花火大会の警備計画をボランティアでサポートしており、手弁当で全体の状況を見ていました。大会実行委員会から手伝ってほしいと言われ、協力会社から警備員を集めていましたが、このときは、とにかく落ち着かせないといけない異常な状態でした。そこで、博覧会などの雑踏警備に慣れている私が、警備員からマイクを渡してもらいました。『押すな、押すな』の騒ぎとなり、将棋倒しになってはまずい状況で、優しい言葉は通用しないと思い、言葉も汚くなってしまいました。今では、このことを反省しています」

   呼びかけのときにマスクをしていなかったことについては、こう説明した。

マスクをしなかったのは、声が通らないからだった

「マスクをすると、声が通らないんです。説得力もなくなってしまいます。線路に人が立ち入って電車が止まり、駅の階段が渋滞して、子供は泣き叫び、罵声を浴びせる大人の方もおられました。本当はマスクをしたかったんですが、ケガ人を出さないために止めないといけないと思いました」

   ALSOKと名前の入ったベストについては、暑いために工事現場で使う空調服を着ていたという。

   線路に人が立ち入った状況について、JR西日本近畿統括本部の広報担当者は8月12日、取材にこう答えた。

「立ち入ったのを乗務員が見て電車を止め、付近の電車も緊急停止させました。立ち入った人が線路外に出たのを確認し、運行を再開しています。花火大会との関係については、分かりません」

   花火大会の混雑対策のため、JRでは、駅の要員を増やしたほか、4両編成の電車を6両や8両にしたり、臨時便を7本出したりして対応したと説明している。

   京都府警亀岡署の副署長は同日、次のように取材に話した。

「何人か線路に入って、電車の運転士が注意すると、出て行ったと聞いています。花火大会のときにあったので、関係があるのではないかと思います。駅はすごい雑踏で、現場の警察官は動けず、パトカーが行ったときは、すでに立ち去った後でした」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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