2024年 4月 20日 (土)

G7サミットは「独り言を言っているようなもの」「何の貢献もしてない」 マハティール元首相が苦言

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   来日中のマレーシアのマハティール元首相(97)は2023年5月24日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、広島市で開かれていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)について「同じような考えを持つ国々が集まって会議をするのは、独り言を言っているようなものだ」などと批判した。

   G7メンバーや招待国の中で、核兵器保有国は米国、英国、フランス、インドのみ。それ以外に核兵器保有が明らかになったり、保有を疑われたりしているロシア、中国、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが参加しない中での議論は実効性に欠けるとの見方だ。

  • 日本外国特派員協会で記者会見するマレーシアのマハティール元首相
    日本外国特派員協会で記者会見するマレーシアのマハティール元首相
  • 日本外国特派員協会で記者会見するマレーシアのマハティール元首相

「何もしておらず、何の貢献もしていない」

   発言は、中国やロシアがG7サミットに参加しない中で「どうすれば核兵器をなくすことができるのか」という質問に対する答えの中で出た。マハティール氏は、G7の議論のあり方について

「ある国のグループが自分たちの敵だと信じている、同じような考えを持つ人たちが集まって会議を開き、自分たちに有利な決定をした場合、それは世界をリードするものではない。世界は共通の問題に直面しているからだ。核戦争は、ターゲットとなる国だけでなく、ミサイルを発射した国にも影響を及ぼす。放射能は世界中に拡散するからだ」

などと主張し、「彼ら(中国やロシア)は(G7)7か国の決定に縛られることはない」と指摘。その上で

「(G7サミットの)全体の態度が間違っている。核戦争を回避したいのであれば、すべての核保有国と非核保有国を集めて、核兵器をなくすための方法と手段を議論する必要がある」

と話した。加えて、

「同じような考えを持つ国々が集まって会議をするのは、独り言を言っているようなものだ。何もしておらず、何の貢献もしていない」

とも批判した。

「マレーシアは多民族国家だが、将来的には大半の国家が多民族国家になるだろう」

   成立が迫っている日本の入管難民法改正案に関する質問も出た。現行の規定では難民認定手続き中は強制送還を停止されるが、改正案では申請が3回目以降なら送還を可能になる。このことが「移民問題の解決に寄与するか」という問いだ。

   マハティール氏は、世界的に移住が増えているとして、

「日本政府が移民を制限する政策を持っているかどうかは別として、将来的には移民が発生するだろう」

とした上で、中国と周辺国、あるいは朝鮮半島内部で戦争が起きた場合、多くの人々が避難を余儀なくされ、「それを日本は『来ないでください』と言えるのか」。マレーシアがミャンマーからのロヒンギャ難民を人道的観点から受け入れざるを得ないことを挙げて、

「法改正の有無にかかわらず、日本はゆっくりと時間をかけて多民族国家になるだろう」

と話した。

   マレーシアはマレー系約70%(先住民15%を含む)、中華系約23%、インド系約7%で構成される多民族国家。マハティール氏は質疑応答に先立つ冒頭発言でも、

「マレーシアは多民族国家だが、将来的には大半の国家が多民族国家になるだろう」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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