2024年 5月 25日 (土)

「人の心とかないんか」「言い訳がましい」 芦原妃名子さん急死、日テレ「セクシー田中さん」脚本コメントに著名人も疑問

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   テレビドラマ化された人気漫画「セクシー田中さん」などで知られる漫画家・芦原妃名子さんが2024年1月29日、栃木県内で死亡しているのが見つかった。50歳だった。自殺とみられるとして、同日に各メディアで報道された。

   「セクシー田中さん」をテレビドラマ化した日本テレビの訃報コメントについて、X(旧ツイッター)では一般ユーザーだけでなく、業界関係の著名人からも疑問があがっている。

  • 芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
    芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
  • 芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
    芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
  • 芦原妃名子さんの漫画「セクシー田中さん」1巻(小学館)。Amazonより
    芦原妃名子さんの漫画「セクシー田中さん」1巻(小学館)。Amazonより
  • 日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
    日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
  • 日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
    日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
  • 荻野稔氏のX(@ogino_otaku)より
    荻野稔氏のX(@ogino_otaku)より
  • 東浩紀氏のX(@hazuma)より
    東浩紀氏のX(@hazuma)より
  • 長谷川良品氏のX(@ryohin_jp)より
    長谷川良品氏のX(@ryohin_jp)より
  • 芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
  • 芦原妃名子さんのX(@ashihara_hina)より
  • 芦原妃名子さんの漫画「セクシー田中さん」1巻(小学館)。Amazonより
  • 日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
  • 日本テレビ「セクシー田中さん」公式サイトより
  • 荻野稔氏のX(@ogino_otaku)より
  • 東浩紀氏のX(@hazuma)より
  • 長谷川良品氏のX(@ryohin_jp)より

「最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております」

   日本テレビは芦原さんの訃報に触れ、「セクシー田中さん」公式サイトで次のとおりコメントを公開した。

「芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして 日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら 脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております」

   同ドラマをめぐっては、芦原さんとドラマ制作陣の間にトラブルがあったとみられている。

   同ドラマの1~8話を担当した脚本家はインスタグラムで23年12月24日、脚本をめぐって「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」などと投稿していた。

   同月28日の投稿では「まず繰り返しになりますが、私が脚本を書いたのは1~8話で、最終的に9・10話を書いたのは原作者です。誤解なきようお願いします」と強調。「ひとりひとりにお返事できず恐縮ですが、今回の出来事はドラマ制作の在り方、脚本家の存在意義について深く考えさせられるものでした。この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています。どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように」とつづっていた。

「当初お伝えした『ドラマ化の条件』はどうなってしまったのだろう?」

   芦原さんは24年1月26日にブログとXで、自身が「9話、10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情」を説明している。未完作品のドラマ化にあたり「必ず漫画に忠実に」「ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様『原作者があらすじからセリフまで』用意する」などの条件を提示したという。

   しかしこうした条件が反故にされ「毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました」という。漫画であえてセオリーを外した展開をよくある王道展開に変えられる、キャラクターが原作と大きく改変される、芦原さんが大切にしていたシーンをカットされる、などが重なったとしていた。

   「当初お伝えした『ドラマ化の条件』はどうなってしまったのだろう?という疑問を常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しとなって、その頃には私も相当疲弊していました」といい、時間的な限界から、9・10話は条件としていた「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」への交代を求めた。

   結果「日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました」としている。

   ただ「素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」「9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、改めて、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、『セクシー田中さん』の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします」とつづっていた。

「原作への敬意に欠ける『ドラマ化してやる』という思い上がりがある」

   芦原さんはその後投稿を削除し、Xで28日に「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿している。

   こうした経緯を受け、Xでは日本テレビ側の声明に疑問を感じる声が相次いでいる。

   漫画作品などに詳しい荻野稔・大田区議会議員はネットニュースを引用し「やるせない。なぜ原作者が命を絶たねばならなかったのか。そして、第一声にこのコメントをわざわざつけた意味。人の心とかないんか」とつづった。

   批評家、作家の東浩紀氏も「第一声がこのコメントなんだなあ」と反応。

   元放送作家の長谷川良品氏は「ドラマ化=『マスへの伝達をエクスキューズにテレビサイズに陳腐化』というテレビの都合に過ぎない改悪が起こる事は往々にしてある。結局その根底には原作への敬意に欠ける『ドラマ化してやる』という思い上がりがある。何よりこの悲劇を伝える日テレの言い訳がましいコメントには疑問しかない」と怒りをにじませた。

【悩みを抱える人へ、厚生労働省が紹介している主な相談窓口】
・いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟) 0570-783-556(ナビダイヤル)/0120-783-556 (フリーダイヤル)
・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
・#いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク) 0120-061-338
・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター) 0120-279-338/(岩手県・宮城県・福島県から)0120-279-226
・チャイルドライン(特定非営利活動法人(NPO法人) チャイルドライン支援センター) 0120-99-7777 (フリーダイヤル)
・子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち)(文部科学省) 0120-0-78310(フリーダイヤル)

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