静岡県伊東市の田久保真紀市長は2025年7月31日夜、記者会見を開き続投を表明した。本人が7月中の辞任を明言していただけに、市議会関係者は怒り心頭だ。今後、市長に議会解散か失職を迫る不信任決議の提出が予想されているが、田久保市長は「不信任決議案が出た場合、どうするかについては、答えをまだ持ち合わせておりません」と述べて、対応を明言しなかった。市議会関係者は「市議会解散を選ぶのでは」と懸念報道によると、市議会議員選を行うと約4500万円、市長選は約3000万円の費用がかかるという。地方自治法によると、地方議会の議員の3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成すると不信任決議が可決され、その場合、市長は10日以内に議会を解散、または失職のいずれかを選ぶことになる。7月29日には「万が一、辞めないということになったら、議会としては覚悟を決めなくてはならない」(中島弘道・市議会議長)と最終的には不信任決議を提出しなければならないとの見解を示していた。ただ、すぐに不信任決議が出されるかは微妙な情勢だ。田久保市長の続投を表明した記者会見後に、記者団の取材に応じた百条委員会の井戸清司委員長は「不信任案を出すのは議会としては簡単な話だが、逆に市長の思うつぼになるのでは」と発言。不信任決議の提出で、市長が市議会を解散することにつながる点に懸念を示し、百条委員会である程度の結論を出すのが先とした。テレビ静岡の報道によると、田久保市長の周辺では既に一部の支持者に市議選への立候補を促す動きが見られるという。「メガソーラーは今、止まってるんですよ」市長の学歴詐称疑惑で、伊東市役所には苦情電話が殺到し、職員が通常業務を行えない状態が続く。伊東市の労働組合は7月7日、市長に提出した要望書の中で、「職員に動揺が広がり、不安を抱えたまま業務を遂行している状態。問い合わせや苦情を受け付ける部署の職員は、通常業務が遂行できず、疲弊しきっており、精神的な負担は計り知れません」と訴えていた。また、7月31日の会見前には、市の部長全員の総意として、市長が辞職して出直し選に出馬するよう、申し入れがあったことが報じられた。田久保氏は受け入れなかったという。市議会の青木敬博副議長は8月1日、静岡第一テレビの番組で「本当に市の職員もだいぶ疲弊しており、昨日辞めるっていうことがあるから何とか繋いでいた気持ちがもう完全に折れてしまうようなあの会見。本当に不幸しか生まない『田久保劇場』をすぐ終わらせたい」と怒りをあらわにした。また、続投の理由として、田久保市長がメガソーラーの建設反対を主張したことには、2018年に市の条例で建設を規制する条例ができていると説明。そして、「相変わらずの論点ずらしだなと思いました。メガソーラーは今、止まってるんですよ。またこの先も、動く可能性はすごい低い」と反論した。
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