「実録 ナニワ金融道」「反社につけ込まれるってこういう事なんだな」 いわき信組・調査報告書が怖すぎる

「終わりになっちゃうべ。従業員の前でみんなやられっから」

   こうした経緯で、後に理事長となる信組役員は、反社関係者と飲食し、数回にわたって海外旅行に行くなど親密な関係になった。当時の理事長は、在任中に合計数億円を関係者に支払ったと推測されるとし、報告書では、「反社からの脅しに屈して資金提供を行った場合、そのことも弱みとなり、その後も繰り返し、反社による不当要求の餌食となることは容易に想像できる」と指摘した。

   この理事長は、不祥事追及などをしている情報誌の反社関係者からも不正を暴くと脅され、97年ごろに担保価値不十分な絵画を担保にするなどして8億円の融資を実行し、元本回収が行われなかったともいう。

   その後も、信組役員らは、反社と関係を続け、2000年代には、無断借名融資という「最悪の禁じ手」を使うようになった。

   この役員が04年に理事長になると、再び右翼団体から街宣活動を受けた。これに乗じて、反社関係者も不当要求を再開し、信組側も、計約10億円の資金提供をした。07か08年に、別の情報誌にも不正を暴くと脅され、情報誌の反社関係者に1億5000万円を渡したともいう。今度は、監査法人による外部監査も実施されたが、本店営業部の金庫は調べられなかったため、不正が発覚しなかった。

   17年に入ると、理事長は、反社関係者からの不当要求を拒否するようになったが、録音データによると、関係者は、街宣活動を指す「『あったまんま放送』でされるよ」と脅してきた。

「終わりになっちゃうべ。従業員の前でみんなやられっから」

   要求に応じなければ、街宣活動が続くと告げたという。この要求に屈したのか、理事長は、翌18年に反社関係者の子どもに水戸市内の飲食店ビルの購入資金などとして3億円を融資し、関係者から今後は金銭を要求しないとする確認書を受け取ったという。この融資は、現在も返済が遅延しているとしている。その後の19から24年までも、別の反社関係者から紹介された9件に融資し、焦げ付き気味だという。

   こうした内容の報告書について、X上などでは、「実録 ナニワ金融道」「反社につけ込まれるってこういう事なんだな」「過程が克明に記されてて怖くなってきた」と驚く声が上がった。それとともに、「業務改善命令なんて甘い対応ではいけない」「もう貸金業剥奪しないとダメでしょう」などと厳しい声が寄せられている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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