小学館、山本氏逮捕で「連載中止を指示」も...実際の終了は逮捕から約2年半後 問われる「社」とマンガワン編集部の関係

   小学館が2026年3月4日に公式サイトで、同日に公開された週刊文春による同社の漫画配信サービス「マンガワン」と漫画「堕天作戦」の作者・山本章一氏をめぐる報道について声明を発表し、同社が「把握している事実」について説明した。

   しかし、小学館がマンガワンでの山本氏の再起用を「会社として初めて確認」したのは26年2月だと説明していることや、山本氏逮捕から「堕天作戦」の連載終了まで2年以上かかっていることなど、「会社」とマンガワン編集部の関係をはじめとした説明には疑問が残る。こうした疑問について、同社に取材した。

  • マンガワンの公式X(@MangaONE_jp)より
    マンガワンの公式X(@MangaONE_jp)より
  • 漫画「堕天作戦」1巻表紙(Amazonより)
    漫画「堕天作戦」1巻表紙(Amazonより)
  • 小学館公式サイトより
    小学館公式サイトより
  • マンガワンの公式X(@MangaONE_jp)より
  • 漫画「堕天作戦」1巻表紙(Amazonより)
  • 小学館公式サイトより

社として「連載中止を指示」も...実際の終了は山本氏逮捕から2年以上後

   週刊文春は4日、「【小学館マンガワン問題】被害女性が全告白「私は"性加害漫画家"と小学館を許せない」《漫画家を直撃すると...》」と題した記事を公開。山本氏による性加害の詳細のほか、両者の話し合いに入ったマンガワンの担当編集者が、「堕天作戦」の連載再開中止要求の撤回や口外禁止などを含む条件を提示した、といった被害女性の証言を報じた。

   小学館は同日、この記事について「弊社見解をお伝えします」とする声明を発表。山本氏をめぐる出来事について「弊社が把握している事実」とする内容を説明した。

   発表によれば、20年2月に山本氏が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)容疑で逮捕され、「その事実を把握した時点で、会社として連載中止を指示しました」という。

   その後、21年に山本氏と被害女性との和解協議について担当編集者から法務部に相談があり、「弊社は当事者ではないため、弁護士への委任を山本氏に促すよう指示」したとする。和解協議について「会社ぐるみで関与したとの認識はございません」との見解を示した。

   小学館は山本氏の逮捕を把握した時点で連載中止を指示したとしているが、「堕天作戦」が連載終了したのは22年10月のことだ。

   同社が山本氏の逮捕を把握したのはいつだったのだろうか。小学館広報室は5日、J-CASTニュースの取材に、「はっきりとした日付は調査中」としつつ、21年に和解協議について法務部に相談がある前であることは確実だとした。

   連載終了まで間が空いたことについては、「休載が続いていましたが、連載終了について正式に決まったのは22年になります」「『連載中止』という指示をしておりますので、そのままの状態が続いていた」と説明した。

   なお、「堕天作戦」は20年2月ごろから休載が続いたが、理由については山本氏の「体調不良」と説明されていた。

山本氏の再起用を26年2月に「会社として初めて確認」...「会社」とは?

   また、マンガワンでは22年12月に山本氏が「一路一」のペンネームで原作を務めた「常人仮面」の連載をスタートしているが、小学館の発表ではこのことについて、被害女性が山本氏に損害賠償を求めて起こした民事訴訟における札幌地裁での判決が出た後の

「2026年2月25日にマンガワン編集部より報告があり、会社として初めて確認いたしました」

としている。その後、「ただちに社内調査を開始し、弊社およびマンガワン編集部より判明した事実を公表しております」とした。

   しかしSNSでは、マンガワン編集部も会社の一部ではないかといった疑問や契約の際に確認はしなかったのかといった疑問の声が寄せられている。

   これについて小学館広報室はJ-CASTニュースの取材に、「(マンガワン)編集部からの報告で初めて、編集部以外も(山本氏の再起用を)認識しました。編集部も会社の一部だとは思うのですが、調査しないとわからないです」とした。

   マンガワン編集部が報告したのは、「リスクマネジメント室」だという。この部署から、管理部門に報告されたとする。

   契約や原稿料支払いの際にも編集部以外で把握できなかったのかについては、「調査を進めなければわからない」とした。

   広報室の担当者は「皆様にご心配とご迷惑をかけていることは本当に深くお詫び申し上げます。またホームページにも記載がありますが、被害に遭われた方には深くお詫び申し上げます」とコメントを寄せた。

   小学館は一連の問題について、小学館は第三者委員会を設置して調査を進めるとしている。

姉妹サイト