元プロ野球審判員、負傷で入院の川上拓斗球審めぐり「『ご家族を含めた生活の支援』まで考える必要」訴える

   元プロ野球審判員の坂井遼太郎さんが2026年6月8日、打撃中の選手のバットが頭部に直撃し、現在も入院している川上拓斗審判員について、Xで思いをつづった。

  • アクシデントは4月16日に神宮球場で行われたヤクルト―DeNA戦で起きた
    アクシデントは4月16日に神宮球場で行われたヤクルト―DeNA戦で起きた
  • 安全な試合進行が求められている(写真はイメージ)
    安全な試合進行が求められている(写真はイメージ)
  • アクシデントは4月16日に神宮球場で行われたヤクルト―DeNA戦で起きた
  • 安全な試合進行が求められている(写真はイメージ)

「まばたきの反応を示したり、腕を動かす」

   川上審判員は4月16日に行われたヤクルト対DeNA戦で、ヤクルトのホセ・オスナ選手がスイングしたバットが左側頭部に直撃。担架で運ばれ、緊急搬送先の医療機関で手術を受けた。この日は、1軍での審判デビューの当日だった。当初は集中治療室で治療を続けていたが、4月30日からは一般病棟に移っていた。

   川上審判員の負傷を受け、日本野球機構(NPB)は5月11日、「危険スイングに関する罰則規定」の制定を発表。球審らの安全を守るためのヘルメット着用や、退場処分を含む打者へのルールを導入した。

   NPBは6月8日、川上審判員の家族から寄せられた「川上拓斗の現在の状況について」とのメッセージを公開し、現在の状況を明かした。

   「拓斗は治療とリハビリを継続しており、担当医によると、まだ意識回復とまでは言えないものの、家族やお見舞いに来てくださる方々に対し、まばたきの反応を示したり、腕を動かすなど、受傷直後の状況に比べますと良くなっていると感じています」といい、今後もリハビリを続ける意向だ。

「状況の重さも、決して軽く考えてはいけない」

   こうした中、坂井さんはXを通じ「川上審判員の回復を願うとともに考えたいこと」との文章を公開した。

   川上審判員の現状について「少しずつではありますが、回復に向けた反応が見られていることを、本当に嬉しく思います」とした上で、「一方で、事故から2か月近くが経った今も、意識が戻っていないという状況の重さも、決して軽く考えてはいけないと思います」と指摘。「考えるべきは『これからの支え方』」とした。

   川上審判員の今後について「もう一度グラウンドに戻り、1軍の舞台に立たれること」が望ましいとしつつも、「仮に復帰までに長い時間が必要になった場合や、これまでと同じ形でNPB審判員としての仕事を続けることが難しくなった場合に、どのように生活を支えていくのか」とし、「プロ野球界全体として考えるべき大切な問題」だとした。

「『重大事故が起きた場合の補償や支援の範囲』明確にしていく必要」

   本人だけでなく「毎日そばで支えるご家族にも、大きな負担があります」。治療の継続のため仕事を休んだり、働き方を変えなければならない可能性もある。

   坂井さんは「補償や支援を考えるのであれば、『本人への補償』だけでなく、『ご家族を含めた生活の支援』まで考える必要があると僕は思います」とした。

   真剣なプレーの中での事故だからこそ、「感情論や個人への批判ではなく、プロ野球界全体として『万が一のときにどう支えるのか』を考える必要がある」という。

   「今回のような事故は、これまで想定されていなかった部分もある」ことから、「NPB審判員はもちろん、選手やグラウンドに関わる方など、試合に関わる人たちが安心して仕事に向き合えるように、『重大事故が起きた場合の補償や支援の範囲』を、より明確にしていく必要があるのではないでしょうか」と呼びかけた。

   坂井さんの主張には、「労災が適用されるのが当然だと思う」といった声が寄せられている。

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