近鉄の特急「ひのとり」に誤乗車した中国人の乗客が、乗務員室で待機中に機器類に触る様子が映った動画をSNS上に投稿し、危険ではないかと批判が相次いでいる。同社によると、途中駅に臨時停車してこの客を降ろす前に待機してもらったという。機器を触る行為については、運行に支障が出るものではなかったとしながらも、「危険な行為だった」と遺憾の意を示した。「フォトNO!フォトNO!」客の動画撮影に注意特急最後尾の乗務員室で、乗客の中年男性が左手を座席にかけ、右手で計器のレバーを握っている。娘とみられる女児に声をかけ、通常はできないような体験に笑顔を見せた。続いて、男性は、座席に座り、後ろから、妻とみられる女性から声をかけられる。男性は、左手でポーズを取り、ご機嫌な様子だ。次に、途中駅に特急が入るシーンでは、茶髪の女性が座席の前に立って、楽しそうに話している。「奈良公園に行かれるんですけど、まったくちょっと...」特急が駅に止まると、乗務員がホームで待つ駅員にこう説明する。乗務員は、乗務員室のドアを開け、「はい、降りて」と手招きする。女児が降りる様子を男性が動画に撮っていると、「フォトNO!フォトNO!」と注意した。3人が特急を降りると、駅員が3人を階段へ誘導していた。この動画は、香港在住という男女が開設したスレッズアカウントが2026年6月27日に投稿した。そして、2人は、日本の乗務員のサービス精神をありがたく感じていると明かした。ところが、乗務員室の中で勝手なことをしているなどと次々に批判され、その後に動画投稿は削除されてしまった。この日のうちにX上でも、動画が次々に取り上げられる騒ぎになっている。近畿日本鉄道の広報部は29日、J-CASTニュースの取材に対し、投稿動画を把握していると明かし、その状況を説明した。国交省「乗務員室に客を入れることはあまり好ましくない」それによると、6月27日午前11時の大阪難波発近鉄名古屋行きの特急「ひのとり」の車内で、近鉄奈良駅に行こうとした海外の客から誤乗車の申告が車掌にあった。この特急は、奈良駅を通過しないため、同駅に行きやすい大和八木駅に臨時停車して乗客を降ろすことになった。それを過ぎて、次の津駅(三重県)に着くと、戻るのがかなり遠回りになってしまうという。乗務員室前には、客に待機してもらう場所がないため、大和八木駅に到着する前に一時的に室内に入ってもらった。しかし、車掌はその後、車側確認をしていたため、客が計器類に触るところは見なかったという。「触られた計器類は、運行に支障が出るものではありませんでしたが、危険な行為だったと考えています」途中駅に到着後は、特急のドアを開けると、他の客が降りてしまう恐れもあった。ドアを1つだけ開けることはできないため、乗務員室から降車してもらったとしている。近鉄を管轄する国土交通省近畿運輸局の安全指導課は29日、取材に対し、一般論だとしたうえで、誤乗車の客に途中降車してもらうことなどについて、次のように話した。「普段止まらない駅で客を降ろすことについては、各社で基準があると思います。この行為を禁止する決まりはなく、法令違反はありません。乗務員室に客を入れることも、法令で禁止するものではありません。ただ、各社の基準があると思いますが、乗務員室には、様々な操作スイッチがありますので、あまり好ましいことではないと考えています」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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