かつて「中高年しかいないSNS」などと揶揄(やゆ)されていたFacebook。最近は「中高年ユーザーの投稿すら減っている」かもしれない。友人や仕事関係の知人とつながる場だったはずが、最近はタイムラインに見知らぬ人の投稿や動画、まとめサイトのような投稿が増え、広告に見えにくい怪しい広告が流れるようになった――。そうなれば、そんな状況に辟易し、Facebookを離れた利用者もいるだろう。実際に、Facebookの「過疎化」は進んでいるのか。データから読み解いてみたい。「中高年のFacebook離れ」その実態アメリカ発のFacebookは、2008年に日本語版がスタート。匿名文化が根強かった日本のネットに「実名制SNS」を根付かせる存在となった。学生時代の友人や仕事の関係者らとつながり、近況報告や人脈を築く場として、中高年のビジネスパーソンを中心に利用が広がった。だが若者からは早い段階で距離を置かれ、日本上陸から数年後には「若いユーザーがほとんどいない」というイメージがつき始めた。それでも当時の30~40代以上にとっては、Twitter(現X)と並ぶ身近なSNSだった。しかし近年、近況報告用としてはInstagramやXが広く浸透し、仕事関係のつながりや人脈作りの場としては「LinkedIn」などのビジネス特化型SNSが台頭。Facebookが日本で伸びた時期に30~40代だった人々は40~50代になり、メインユーザーの高齢化も進んでいる。2024年9月14日付の「PRESIDENTOnline」では、「若者どころか中高年も『Facebook離れ』が進行中」と題した記事を配信していた。メディアコンサルタント・境治氏の「最近は怪しい広告が増えていかがわしい雰囲気になっている。もともと若者の利用率が下がっているのに、中高年ユーザーまで離れてしまっては、社会インフラとして機能しなくなるかもしれない」という言葉を紹介している。実際、ネット上でも「もうしばらくFacebook開いてない」「オワコンというイメージしかない」といった声が目立つ。では、実際にユーザー数は少なくなっているのか。2019年にFacebook社(現Meta社)が示した国内月間アクティブユーザー数は、2600万人だ。この数字だけ見れば決して少なくはない印象だが、数年が経過しているので、現在の実態とは異なる可能性がある。国内ではX、インスタ、TikTokに引き離されそこで、世界中のデジタル動向レポートを提供する「DataReportal」のデータで検証してみよう。同サイトでは、各SNSで広告がリーチ可能な日本国内ユーザー数を見ることができる。月間アクティブユーザー数ではなく、あくまで広告リーチを対象にした数字だが、各SNSの規模を比較する手がかりにはなる。2025年末時点で、Facebookの広告リーチ可能な日本国内ユーザーは1650万人。それに対し、Xは7120万人、Instagramは6320万人、TikTokは3920万人(18歳以上)とされ、Facebookは大きな差をつけられていることがわかる。2023年にスタートした同じMeta社のThreadsは1300万人で、後発サービスにすら迫られている状況だ。この数字を見る限り、Facebookの存在感が低下しているのは否めない。一方で、海外ユーザーも含めれば、Facebookはいまだ世界最大級のSNSだ。全世界のユーザー数は30億人以上とされ、InstagramやTikTok、Xを超える巨大プラットフォームであり、日本とは事情が異なる。ただ、海外でも「若者のFacebook離れ」は指摘されている。2022年のアメリカの利用実態調査では、過去約8年で「10代の利用者が半減した」と報告された。20代以降は、就職後に会社の上司や取引先とつながるため、ビジネス用SNSとしてアカウントを維持するケースも多いとみられる。そう考えると、世代交代が進んで意識が変わっていけば、海外でもFacebook離れが加速していく恐れがある。データで見てみると、やはりFacebookが「みんなが集まる場所」から「一部の人しか残っていない場所」に変わりつつあるのは否定しがたい。このまま若者が寄りつかず、中高年も投稿しなくなれば、いずれは「過疎化した同窓会」のような場所になってしまうのかもしれない。
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