日本維新の会肝いりの「副首都」構想関連法は2026年7月24日、参院本会議で与党自民党・日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。その翌日25日、都構想に反対する公明党は都構想に関するタウンホールミーティングを大阪市内で開いた。国会で副首都法案を議論する特別委に出席した国民民主党の足立康史参院議員も飛び入りで参加した。吉村知事は「同日選を目指すべき」副首都法案は、大規模な災害に備えて代替機能を地方に整えることを目指すもの。一方で、副首都の指定要件の一つに政令指定都市を廃止して、特別区を設置することが議論に挙がり、大阪都構想を想定しているとして、大阪ありきだと批判が相次いだ。また、吉村洋文大阪府知事(日本維新の会代表)が住民投票を来春の統一地方選と同日での実施に意欲を見せており、与党側が地方選と住民投票の同日実施について「やむを得ず重複する場合には、自由・公正を損なうことのないよう検討する」と答弁があったことで、野党が反発。付帯決議に「重複しないように最大限調整する」との文言が盛り込まれて可決した。一方、可決後の7月24日夜、記者団の質問に応じた吉村知事は付帯決議の意思は尊重したいとしつつも、「ただ1回の投票で有権者が投票でき、コストも抑えられることを考えれば、私は同日選を目指していくべきだと思う」と主張した。「議会制民主主義を愚弄」「あまりに不誠実」と衆院議員が批判大阪都構想に反対する公明党は7月25日から大阪市内で「大阪のミライを考える会」と題し、大阪都構想に関するタウンミーティングを市内16か所で、9月4日まで順次開催する。都構想に関しては、制度案を議論する法定協議会が6月に設置され、特別区に再編する区割り案が明らかになるなど議論が活発化している。公明党は、都構想の住民投票で1回目は反対、2回目は賛成、3回目は反対の立場だ。タウンミーティングの初回は7月25日、大阪市東住吉区の東住吉区民ホールで開き、約300人が参加した。登壇したフリージャーナリストの幸田泉氏は「政治家のゲームと化した大阪都構想」と題し、講演した。来春の統一地方選との同日選の実施は、地方選の選挙期間中に反対運動が制限されるルールと指摘した上で「反対の運動を封じ込めるための日程設定だ」と指摘。また、過去2回の住民投票が否決されており、「大阪市民の民意が踏みにじられている。その思いを政治家が理解していない」と批判した。パネルディスカッションでは、フリージャーナリストの幸田氏、木下功氏、公明の辻義隆市議、中道の国重徹衆院議員、飛び入りで国民民主の足立参院議員が参加した。発言に対しては、会場から大きな拍手が起きる場面も見られた。辻市議は、公明党が3回目の住民投票に反対する理由として、「2回住民投票をやっている。僅差(きんさ)ではあったけれども、反対やと、やめてくれというお答えをいただいたわけなので、真摯に受け止めなあかん」と述べた。国重議員は、地方選と住民投票を同日に行うことについて、「判断する対象が人と制度と違う。これを一緒に同日にやっちゃうと有権者の皆さんが混乱をして、冷静な判断ができなくなる。そうなれば、民主主義の基盤が損なわれる」と述べた。都構想の住民投票を地方選と同日に実施すれば、吉村知事の人気に注目が集まり、「本来、制度そのものがいいのかどうかというのを皆さんに冷静に判断していただかないといけないのに、それができなくなってしまう」と訴えた。また、法案成立後の吉村知事の発言は、「直後にこれはあまりにも議会制民主主義を愚弄してるだろうと、あまりにも不誠実」と厳しく批判した。「吉村さんは同日選にした方が事務コストを削減できるという風に言っているが、特別区の設置は、自治体の百年の計。それは、民主主義に必要なコストだ」と主張。出直しダブル選挙で約28億円の費用が掛かったことについて、「こっちではコスト削減って言って、これはご都合主義で筋が通らないんじゃないかと思う」と述べた。吉村知事発言「絶対に許せない」国民民主・足立氏国民民主の足立康史参院議員は、同日選を目指す吉村知事の姿勢を「不公平、不公正」だとし、「吉村さんやると言ってますけど、絶対止めます」と訴えた上で、「選挙は、公正にやると法律に書いてある。選挙の公正を確保する。投票の公正を確保する。これは憲法が要請している価値。日本国憲法は我々国会議員に求めている、政治家に求めているルール。必ず止めますから。ぜひ皆さん一緒にね、公正な政治を作っていきましょう」と語った。また、憲法改正の国民投票で同日選は可能としていることに関しては、「国民投票が始まっているときに、首長の病気などで急に選挙になるといったハプニングでどうしても一緒になる場合にある規定で、それを目指すというのはあり得ない。目指すことをやめようと昨日、(付帯決議で)決めたんですよ。昨日の夜に(吉村知事が)やるというのは、絶対に許せないんですよ」と述べた。「法案が通った直後にああいう発言は非常に残念」公明党大阪市議団の西徳人幹事長は、昨日(7月24日)の吉村知事の発言について「同日選挙はやるべきではない」とした上で、「国会の議決というもの、重みというものを全く感じておられないのではないかという風に思った。ご自身の党も参画して決議している訳ですから、最大限尊重すべきであって、法案が通った直後にああいう発言は非常に残念」と語り、こう続けた。「おそらく吉村代表が、独断専行で進めているんじゃないかというような状況に、法定協議会の議論もそうですけど、なっております。やはりそういった流れをしっかりと変えていく」記者から「残念だけの感情ではないのでは」と問われると、「上品な答え方にします。市民の皆さんがどう考えられるかが一番大事かと思う」と述べた。「姑息(こそく)なやり方」怒る参加者J-CASTニュースの記者は、タウンミーティングに参加した40代女性会社員と70代無職女性に話を聞いた。この2人は「自身の周りでは大阪市が廃止になったらどうなるか分からないという人が多い」と危機感を抱き、都構想に関するチラシを作っているという。「我々がこうやって作っているのは反対を強要している訳でなく、理解して賛成、反対を考えてほしい」(70代女性)と話す。またこの女性はタウンミーティングに参加し、「姑息(こそく)なやり方というか、この隙間、隙間を縫ったやり方に怒りを感じた」と語った。また、40代会社員女性は、維新が行ったタウンミーティングにも参加したといい、「そのアンケートの結果が反対の方が多かったにもかかわらず、法定協議会も設置されてしまった」と強引なやり方を批判した。吉村知事の発言について、「同日選にすればコストが削減できるという風に吉村さんはおっしゃるけど、(都構想を争点にし、衆院選と同日に行った)2月の出直しダブル選挙は全くの無駄だったと思う。私たちの血税、大事な税金が使われ、そこら辺に非常に怒りを感じる」と語気を強めた。
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