クレジットカードなどの支払い方法が登録されたスマホでは、ゲーム内の購入も簡単にできる場合がある。今回は、孫に貸したスマホで10万円以上の想定外の課金が発生した事例をもとに、確認したいポイントをFPが解説していく。ゲームの中だけで使うものだと思っていた70代の女性から「クレジットカードに心当たりのない請求がある」と相談を受けた。その女性は一人暮らしで、近くに住む娘と小学生の孫が、ときどき週末に遊びに来る。孫はゲームが好きで、娘のスマホを借りて遊ぶこともあったという。ある日、娘が買い物に出かけている間、孫から「おばあちゃんのスマホでゲームをしてもいい?」と頼まれた。女性は、以前にも孫が動画を見たり、簡単なゲームをしたりしていたため、「少しだけなら大丈夫だろう」と考え、スマホを孫に渡した。孫が開いたのは、無料で遊び始められるゲームだった。女性は、無料のゲームであれば料金はかからないと思い、孫が遊んでいる間、洗濯や食事の支度をしていた。途中でゲームの画面を確認することもなく、1時間ほどしてスマホを返してもらったという。数日後、女性宛にクレジットカードの利用通知が届いた。普段より利用額が多かったため、娘と一緒に明細を確認すると、見覚えのないゲーム関連の決済が何件も並んでいた。金額は、1回1000円台のものから5000円台のものまであり、合計すると11万円を超えていたため、女性は当初、カードが不正に使われたのではないかと考えたという。しかし、利用日時を確認すると、孫にスマホを貸していた時間帯と重なっていた。娘が孫に話を聞いたところ、ゲームを進めるためのアイテムや登場人物を手に入れようと、画面に表示されたボタンを何度も押していたことがわかった。孫は、画面に表示されていたコインや宝石をゲームの中だけで使うものだと思っており、祖母のクレジットカードから実際に代金が支払われるとは理解していなかったようだ。そのうえ、女性のスマホにも、以前アプリを購入した際に登録したクレジットカード情報が残っていた。また、購入のたびに暗証番号や指紋による確認を求める設定になっておらず、画面を操作するだけですぐに決済できる状態だった。女性は「暗証番号を教えていないので、買い物まではできないと思っていた」と話した。家族でゲームの運営会社やアプリの購入先へ問い合わせたものの、子どもが操作した場合でも、必ず全額が返金されるわけではないこともわかった。無料で遊べるゲームでも、ゲーム内には有料の商品が用意されていることがある。女性にとっては「少しスマホを貸しただけ」だったが、設定によっては短時間でも高額な課金につながってしまう(※プライバシー保護の観点から、内容を一部脚色している)。スマホを貸す前に見直したい4つの設定未成年者が、親権者などの同意を得ずに結んだ契約は、取り消せる場合がある。ただし、オンラインゲームの課金では、使われたアカウントや年齢確認の方法、購入に至った経緯などによって、返金や取り消しの対応が変わる。高額な請求に気づいたときは、課金履歴や利用日時、子どもの年齢、当時の状況を整理したうえで、ゲームの運営会社やアプリストア、クレジットカード会社へ早めに問い合わせたい。どこに相談すればよいかわからない場合は、消費生活センターに相談する方法もある。子どもにスマホを貸すときは、「勝手に買わないでね」と伝えるだけでなく、課金できない、または課金しにくい設定にしてから渡すことが大切だ。とくに、次の点を確認しておきたい。・購入時にパスワードや指紋認証を必須にする・1回または1か月の利用上限を決める・使わないクレジットカード情報を削除する・決済があったらすぐ通知が届くようにする短時間だけ貸す場合でも、設定によっては高額な課金につながることがある。家族に安心して使ってもらうためにも、スマホを渡す前に一度、購入に関する設定を見直しておくとよいだろう。【プロフィール】石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。
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