立憲民主党の辻????元清美参院議員が2026年8月16日にXを更新し、広島・長崎の平和式典や全国戦没者追悼式での高市早苗首相の発言に対して疑問を投げかけた。辻????元氏は、一部の表現が変更されたことを示し、「総理大臣としてご自分を主語にして、自らの意志や決意を述べることを避けるのはなぜなのか?」と問いかけた。
辻????元氏「自分を主語にして語るべきだ」
高市首相は、広島・長崎の平和式典でのあいさつで、「わが国は『非核三原則』を堅持しており」という表現を用いた。近年の歴代首相は「堅持し」「堅持しつつ」と表現していたため、各社報道では、高市氏は、今後も堅持する方向性を示さなかったと指摘されている。
また、全国戦没者追悼式の式辞では、「戦争の惨禍を繰り返させない」と述べていた。この表現についても、これまでは「戦争の惨禍を繰り返さない」だったため、「せ」の一文字が加わった。SNSなどでは、主体や責任が曖昧になるとの指摘が上がっている。
辻????元氏は16日、「せ」の一文字を加えた高市氏の狙いについて分析した毎日新聞の記事を紹介し、「総理大臣としてご自分を主語にして、自らの意志や決意を述べることを避けるのはなぜなのか?」と疑問を呈した。
そのうえで、「『非核三原則』を堅持しており」および「戦争の惨禍を繰り返させない」という表現に変わったことを示し、つぎのような見解を述べた。
「過去の戦争は誰かにさせられた=自存自衛の戦争であって、当時の日本政府の『国策のあやまり』と認めたくないという歴史観から、稚拙なすり替えをしているように感じてしまう。高市さんは、かつて『戦争を知らない自分たちには責任はない』というような発言していたようだが、国家を背負う総理大臣になっても同じ認識なのだろうか」
続けて辻????元氏は「もう一議員ではない。総理大臣には、連続するこの国の過去を引き継ぐ責任がある。少なくとも、諸外国はそう見ている」と指摘し、「過去の『国策の過ち』を反省し、最高権力者としての自覚と戒めを込めて、自分を主語にして語るべきだ」と訴えた。
小西洋之氏、山添拓氏、逢坂誠二氏も言及
高市氏の「戦争の惨禍を繰り返させない」という表現をめぐっては、辻????元氏以外の野党議員もXで言及している。
立憲民主党の小西洋之参院議員は15日、「『さない』から『させない』への変更は、憲法の平和主義の根幹を否定する行為です」とXで批判。その理由について、憲法の前文に記されている箇所を引用し、つぎのように説明した。
「憲法前文には、『日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、この憲法を確定する』とあります。
これは、憲法の平和主義の理念の一つですが、戦前の首相などの権力者が引き起こした戦争によって国民が被った『惨禍』を二度と繰り返させないという『日本国民の決意』を述べたものです。
であるならば、日本国憲法の下の権力者である高市総理は、日本国民に対して、自らが『戦争の惨禍を繰り返さない』と誓わなければなりません」
小西氏は、「戦争の惨禍を繰り返させない」という表現は「誰に対して何を述べているのか意味不明」だとし、「高市総理が『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起る』ことを正当化しているのではないかと疑われることになります」と指摘した。
また、共産党の山添拓参院議員も15日、式辞から「反省」などの表現が消えたことに触れたうえで、「『戦争の惨禍を、二度と繰り返させない』との言葉は、高市氏のような為政者に対してこそ向けられるもの」だと批判した。
中道改革連合・逢坂誠二前衆院議員も16日、「戦争の惨禍を繰り返させない」という表現について言及している。
逢坂氏は、文章投稿サイト「note」を更新し、その中で「『戦争の惨禍を二度と繰り返させない』となると、使役形です。そこには、誰に繰り返させないのか。という対象が潜在的に生まれます」と指摘。
その後、「せ」の一文字の違いだけで高市首相の意図は断定できないとしつつも、「式辞の重心が、『過去を省みて、自ら戦争を繰り返さない』という自己反省から、『これから戦争の惨禍を起こさせない国になる』という未来志向へ移っているように感じられます」などとコメントした。