『悪い夏』『正体』などで知られるミステリー作家の染井為人さんが2026年8月18日、手の込んだ特殊詐欺の電話を受けたことをXで明かした。「X線にかけたところ、なんとマイナンバーカードが7枚入っていたという」染井さんによると、事件が起こったのは「今朝のこと」。「軽い二日酔いの中、日本郵便から自動音声による電話がかかってきて、なにやら保管している荷物がある」ことを知ったという。担当者からは「8月15日に新宿郵便局からぼくが発送したレターパックが、不審物扱いで戻ってきている」と告げられたが、「ぼくはレターパックを出していない。その日は新宿にもいないし、発送先にもまったく覚えがない」。担当者の話によると、レターパックの中身は「衣類5点」と書かれていたが、「明らかにおかしいため、中に現金が入っている疑いがある」という。そこで担当者が「X線にかけたところ、なんとマイナンバーカードが7枚入っていた」。カードにはすべて染井さんの名前が入っていたという。「電話じゃ被害届を受理できませんよね」身に覚えのない内容に染井さんが困惑していると、担当者から「明らかに詐欺であり、こういう事案は郵便局から警察に通報する義務がある」との説明を受け、「このまま自動転送もできる」との申し出を受けた。転送先の警察官を名乗る人物によると、カードには「それぞれ別の男性の顔写真が載っていた」。染井さんは「怖すぎます」と困惑していたが、警察官を名乗る人物から「被害届を受理するため、今からいくつか質疑応答をお願いします」と告げられたことで違和感を覚えたという。「電話じゃ被害届を受理できませんよね」と尋ねると、警察官は「遠方の方もいらっしゃるので、できます」と応答。染井さんは「ここでぼくは確信したわけです。これ自体が、すべて詐欺なのだと」と詐欺だったことに気づき、「なんだよもう。これ自体が詐欺かよ」と指摘した。すると、相手は「ええと、どういうことでしょうか」と困惑。「いいよもう。すでに詐欺だってバレたの」とする染井さんに、相手はなおも「何をもって詐欺だとおっしゃられるのでしょうか」と食い下がったという。しかし、染井さんが「まったく。きみねえ、こういう汚い仕事して金を稼いでうれしいかい? まだ若いんだろ、きっと。早く足を洗――」と相手に説教をしようとしたところ、電話を切られてしまったとした。「要所要所に、こちらを信用させるだけの設定がきちんと用意されている」一連のやりとりについて、染井さんは「かなり割愛して書きましたが、要所要所に、こちらを信用させるだけの設定がきちんと用意されているんです」と振り返った。「何より、彼らの演技力がすごい」とし、「完全なマニュアルがあって、相当なシミュレーション訓練を積んでいるのでしょう」と分析。「次の新刊の設定に使ったろうかしら」とつづった。フォロワーに向け、「とにもかくにも、みなさんもお気をつけくださいねっ!!」と呼びかけた。染井さんが巻き込まれた電話での特殊詐欺は、いわゆる「劇場型詐欺」と呼ばれる手口に当たるものとみられる。複数人の犯人が、それぞれ警察官や金融機関の職員などの役割を演じ、あらかじめ準備したシナリオに沿って電話をかけることで、ターゲットを信用させ、金銭などをだまし取る手口だ。今回の電話では、郵便局の担当者を名乗る人物から警察への「自動転送」が行われたことも特徴的だった。染井さん自身も「よくよく考えれば、郵便局から警察への自動転送っておかしいよね」としつつ、「これにも『それらしい理由付け』があったんだけども」と振り返っている。
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