静かな新幹線車内で「カチャカチャ、ダダーン!」響くタイピング音 周囲も困惑「そんなに力いっぱい叩かなくても」

「『何回エンター押すんだろう』と、そればかり気になって」

「とくに、エンターキーを押す音がものすごく大きかったんです。途中から、『そんなに力いっぱい叩かなくても』『何回エンター押すんだろう』と、そればかり気になってしまいました」

   隣に座っていた外国人も気になったようで、何度か後ろを振り返っていたという。

   藤崎さんも座席の隙間から様子を確認すると、男性は険しい表情でパソコンの画面に向かっていた。

「周りから見られていることには、まったく気づいていないようでした」

   東京駅が近づいた頃、ようやくタイピング音が止まった。男性から「ふぅ」と息をつく声が聞こえ、藤崎さんも「これで騒音から解放される」と思った。

   しかし、その直後だった。背後から再び「ガチャガチャ」と慌ただしい音が聞こえ、続いて「ヒッ」という小さな声がしたという。

「何が起きたんだろうと、ものすごく気になりました」

   東京駅への到着も近かったため、藤崎さんは降車準備をするように立ち上がり、後方の座席を見た。そこには、倒れたペットボトルとキーボードを必死に拭いている男性の姿があった。

   パソコン作業そのものは禁止されていなくても、静かな車内ではキーボードを叩く音が、想像以上に周囲へ響くことがある。仕事に集中していると周囲の様子に気づきにくくなるだけに、音にも少し意識を向けたいところだ。

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