予見できなかった「千葉豪雨」の深刻化 富山、石川、福井でも線状降水帯続き防ぎようなき水害に【防災の日】

   多発する台風に、何時間も降り続ける豪雨。一方で西日本では、連日の酷暑で干上がる田畑。2026年の夏は、水を巡る災害が日本各地を襲った。

   なかでも8月13日夜、千葉県に大きな被害をもたらした集中豪雨は、鉄道の運転見合わせによる大勢の「帰宅難民」発生や、冠水で動けなくなった車が路上に大量に放置されるといった「都市型」被害が特徴だった。

  • 千葉県の記録的豪雨で、あちこちの道路が冠水した(写真:AP/アフロ)
    千葉県の記録的豪雨で、あちこちの道路が冠水した(写真:AP/アフロ)
  • 気象庁がウェブサイトで配布している「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」のチラシ
    気象庁がウェブサイトで配布している「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」のチラシ
  • 千葉県の記録的豪雨で、あちこちの道路が冠水した(写真:AP/アフロ)
  • 気象庁がウェブサイトで配布している「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」のチラシ

災害支援のプロも驚かせた極端な集中豪雨

   8月13日の首都圏。天気予報では「雨が降りやすい」と朝から伝えていた。

   実は千葉県防災ポータルサイトは朝6時45分に、この日の夜遅くにかけて「低い土地の浸水、河川の増水」「北東部と南部では、土砂災害」に注意・警戒を促していた。

   ただ一般的な天気情報になると、「局地的に雨雲が発達して、雷を伴った強い雨となる可能性があるため注意が必要」(ウェザーニュース)との内容だ。ゲリラ雷雨の可能性はあっても、あれほど深刻な豪雨災害になると、当日朝にどれだけの人が予想できただろうか。

   千葉県内の、特に東京通勤圏では鉄道の運転見合わせによる「帰宅難民」が続出した。ターミナル駅のJR千葉駅は、内房線や外房線といった房総方面の電車がストップし、帰れなくなった人たちであふれ返った。行き場を失った人たちを千葉県庁が受け入れ、1700人ほどがそこで一夜を明かしたと報じられた。

「線状降水帯が発生して大きな水害になるケースは、過去にもありました。しかし線状降水帯がずっと続き、排水が間に合わないほど大量の雨が都市部に降るとは」

   J-CASTニュースの取材にこう語るのは、ピースボート災害支援センター(PBV)理事の小林深吾さん。PBVでは、災害支援ネットワークちば(CVOAD)と連携して、千葉県内の被災地に必要な物資が届けられるよう支援している。

   災害支援のプロから見ても、千葉の豪雨はこれまでの水害と比べても極端だったようだ。

大雨特別警報のレベル4、5が出たら「すぐ避難」

   もうひとつ注目されたのが、道路の冠水により動けなくなった多数の車両がそのまま何日も路上に放置された現象だ。一時は2700台にも上ったとされ、数日にわたって道路に不自然な格好で止まったままの車が何台もある様子が、テレビニュースの映像で流れた。

   自分の居住地であれば、ハザードマップを見て浸水地域を把握できる。しかし運転している場所、まして「たまたま」通った道であれば、冠水の危険度を事前に熟知している人はあまりいないのではないか。

   また、台風のように進路予想があらかじめ知らされるのと違って、「ゲリラ雷雨」が延々と同じ場所で続くとは、一般の人には予測不可能と言える。

   不運にも、千葉県で起きたような豪雨に見舞われてしまったら――。PBVの小林さんは、「大雨特別警報」を敏感に察知して身を守ることが大切だと話す。

「レベル4、レベル5が出ていたら、運転中でも頑丈な建物に避難するしかありません。だからこそ、こうした警報が出ているので、情報を自らとりにいくことが重要です」

   レベル4は、「自治体からの避難指示の発令に留意するとともに、避難指示が発令されていなくてもキキクルや河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断」をすべき段階だ。さらにレベル5になると、「命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保」となる。

   気象庁は8月26日、千葉豪雨を踏まえ、レベル5が発表されたときの「とるべき行動」「車運転の注意点」という二つのチラシを作成、公表した。

   「とるべき行動」としては、「すでに安全な避難ができず命が危険な状況」であり、「むやみに移動せず今いる場所よりも安全な場所へ移動して身の安全を確保しましょう」とある。

   「車運転の注意点」は、車での移動を控え、「冠水した道路への進入は命に関わる危険があります。安全を最優先に行動しましょう」と呼びかける。

   被災は当然、したくないが、自分が体験しない限りなかなか「自分事」にならないのも事実だ。やり過ごせると思わず、自分の身は自分で守ることを常日頃から意識して行動に移すしか、対処法はない。

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