高市早苗首相の支持率が下落している中、肝心の野党第1党の先行きが不透明さを増してきた。中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党が2026年8月31日の会談で、合流を断念。結党わずか7ヶ月で解体が避けられない状況に、党内外から辛辣な声が殺到しており、衆院選での自滅から迷走が止まらない。
1億円集まったクラファンの行方は?
衆院選公示前の1月に急遽結党された中道改革連合。しかし、自民党が公示前から118議席を増やしたのに対し、中道は118議席を減らすという無惨な結果に終わった。比例で名簿上位となった公明出身候補が全員当選した一方、立憲出身候補は小沢一郎氏や岡田克也氏、枝野幸男氏ら大物が次々と落選した。開票後、結党を主導した野田佳彦共同代表(当時)は「万死に値する大きな責任」とコメントを残した。
8月31日に開かれた会談で分裂が決定的となり、中道の小川淳也代表は報道陣に「批判は甘んじて厳しく受け止めなければならない」と釈明した。一方で、1億円を超える金額が集まっていたクラウドファンディングの使途を問われると「今まで通りと同じ形とはいかなくなった」と説明。「統一会派の結成」や「中道改革路線の政治勢力の拡大」などを挙げて「限りなくそこに直結する使途に充てさせていただくことを中心に、その前提で今後の運用を考えていきたい」と曖昧な回答に終始した。
この惨状を招いた「戦犯」と目されている野田氏は報道陣に対し「ノーコメントです」とだけ言い残し、足早に立ち去った。野田氏といえば、民主党政権で首相だった12年、党首討論で自民党の安倍晋三総裁(当時)に乗せられる形で解散に踏み切った結果、直後の総選挙で惨敗し、下野につながったという過去がある。
2度も惨敗を招いた張本人が「ノーコメント」とした態度には、X(旧Twitter)でも批判が殺到。「やることなすこと与党アシストばかり」「逃げたとしか思えない」などの声が書き込まれている。
野田氏とともに中道の結党を主導した安住淳氏も、2月の衆院選で自民党の森下千里氏に惨敗した際にはテレビ中継への対応をドタキャン。落選後は議員会館からの退去を報告したX投稿が1件あるのみとなっている。
維新・吉村代表は舌好調「選挙目当ての野合談合集団」
この迷走劇は、公明出身の中道議員にも飛び火。岡本三成衆院議員は2月末、YouTubeチャンネル「ReHacQ」に出演した際に「もし、中道がなくなる時には、たぶん私は政治家辞めてます」と発言していた。これが合流断念となった今になって掘り返され、Xでは「彼は本当に辞めるのか?男気を期待してます」「やめないでしょうね笑」と物笑いの種となっている。
一方、高市政権の誕生で公明党と入れ替わる形で与党となった日本維新の会の吉村洋文代表は9月1日、報道陣の前で饒舌だった。「わずか7か月で分裂ということですから、選挙目当ての野合談合集団だったということを自分たちで証明したんだと思います」「生活者ファーストじゃなくて自分たちファースト」などと中道を徹底的に切り捨てた。
かつて立憲と選挙協力したこともあった共産党も冷ややかだ。小池晃書記局長は8月31日の記者会見で「分裂しておいて統一会派というのは、国民的に理解されないのではないか」と指摘。志位和夫議長は9月1日、Xに「はじめから破綻はわかっていた」と突き放すような文言を投稿した。
迷走が続く党に対し、2月の衆院選で落選した立憲系の元議員からは不協和音が聞こえ始めている。落選後に政治団体「護憲リベラル共生(ゴリラ)」設立を発表した川内博史氏は自身のXで、野田氏を名指しして批判。「けじめを付けたまえ」と迫った。同じく落選した藤原規眞氏もXで「野田佳彦氏から、愚鈍で無知蒙昧なリーダーを選ぶと組織はどうなるかを学んだ。高い授業料だった」と吐き捨てた。
衆院選で落選した岡田克也氏は自身のYouTubeチャンネルで9月1日、衆院選の敗北を改めて謝罪。「極端な右でもなく極端な左でもない中道の政治を目指す」「その方向性は正しいと確信しています」などと主張。対照的に小沢一郎氏は落選後、中道の惨敗に批判的な言動を繰り返しており、新党結成に意欲を示しているとする報道もある。
NHKが8月10日に報じた政党支持率は自民党の35.0%に対し、中道は1.7%。日本維新の会、国民民主党、参政党、共産党など主要政党に加え、立憲民主党や公明党単体よりも低く、高市首相の支持率が落ちても対抗軸として国民から殆ど期待されていない現状が浮き彫りとなっている。