「ちょっとお茶して話したいだけなのに」
影響を感じたのは、日々の買い物だけではなかった。
ある日、地元の友人が遊びに来たため、一緒にカフェへ行こうとしたそうだ。
「せっかくなので、以前から行ってみたかったカフェに行こうと思ったんです。でも、行ってみたら混雑していました」
別の店へ移動しようにも、道路が渋滞している。
「ちょっとお茶して話したいだけなのに、それが簡単にできません。観光シーズンは、普段なら何でもないことまで予定どおりにいかなくなるんだと感じました」
以前から気になっていた飲食店でも、観光シーズンによる違いを実感したことがある。
藤森さんが2月に訪れた際には待ち時間もなく、店内でゆっくり食事を楽しむことができた。しかし、店員から「シーズンになると数時間待ちになることもある」と聞き、驚いたという。
「観光シーズンとそれ以外ではまったく様子が違うんですよね」
現在では、連休が近づくと必要な買い物を事前に済ませるなど、混雑を見越して行動することが当たり前になった。
「自分が移住して初めて、観光地の賑わいと、そこで暮らす人の日常は表裏一体なのだと思いました」
観光客が訪れることは地域の活性化につながる一方で、特定の期間や場所に人や車が集中すれば、住民の移動や日常生活にも影響が及ぶ。観光地を訪れる側も、そこが誰かの生活の場であることを意識しておきたい。