東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授が、三笠宮家の彬子さまを巡り「遺伝的要因のおそろしさを感じる」などとXに投稿し、差別的な表現ではないかとの批判が殺到している問題で、東大は2026年9月8日、J-CASTニュースの取材に、教育学研究科長が本田氏に「個人のSNS投稿についても十分考慮して行うよう」注意したと明らかにした。
批判の発端は9月1日のX投稿
本田氏を巡っては、9月1日のX投稿に批判が相次いでいる。これは、彬子さまに関する投稿を引用リポストしたうえで書き込んだものだ。
本田氏が引用リポストしたのは、彬子さまの皇族費が倍増すると報じた東京新聞の記事を受け、彬子さまと麻生家を「さもしい」と表現し、「皇籍離脱させるべきでは?」「麻生の血筋から天皇を出すんですか?」などと主張する投稿だ。なお、彬子さまは自民党・麻生太郎副総裁の姪だ、と複数メディアが報じている。
本田氏はこの投稿に反応し、「この人たちを目にするたびに、遺伝的要因のおそろしさを感じる。露出の増加が逆効果になるかもしれない」と記した。SNSでは、本田氏の投稿の内容や表現に対し、差別的な表現ではないか、といった批判が相次いだ。
こうした中、本田氏は5日、「解説」と題する文章をXに掲載した。
この文章の中で、本田氏は「曲解」が広がっているため「解説」すると記した。「皇室典範改正」「皇室における養子制度」などに言及した後、「遺伝的要因のおそろしさ」や「露出の増加が逆効果になるかもしれない」などの表現の意味を説明している。
まず「遺伝的要因のおそろしさ」が指しているのは、「自らと遺伝子を共有する血縁者を優遇しようとする麻生太郎氏の行為の問題点」だとした。
また、「露出の増加が逆効果になるかもしれない」が意味するのは、彬子さまやその妹の瑶子さまがメディアなどに登場するたび、「麻生太郎氏のふるまいの問題点が想起され、視聴者は反発を抱くであろうということ」だとしている。
本田氏は「差別」「誹謗中傷」などの非難にあたらないとし、「遺伝的要因」という表現が最適だったかどうかは検討の余地があるとしつつも、「血縁者」や「親族」などの言葉と置き換え可能な意味で用いたと主張している。
さらに「ルッキズム」との批判については、本田氏は「投稿では容姿に関して一切言及しておらず、そこに容姿云々といった意味を読み取ることは、読み取る者自身が有するルッキズムを露呈させていることに他なりません」と反論した。
だが、この「解説」に対し、東大大学院総合文化研究科の斎藤幸平准教授は「普通に謝って撤回しよう!」と指摘したほか、「こんな言い訳通用しない」「詭弁」「『お詫び』ではなく『解説』」などの批判も寄せられている。
東大は本田氏を注意、学会は引き続き対応を検討中
東大の本部コミュニケーション戦略課は8日、J-CASTニュースの取材に対し、本田氏による5日の投稿についても「承知しております」と説明した。そのうえで、つぎのように回答した。
「本学では『構成員は、人権を尊重し、高い倫理観を持って行動しなければならない』と定めています。
今般の本田教授のSNS上の投稿に関して、本人にその意図がなかったにせよ、差別的な発言という本学の基本的な方針にも反する社会からの受け止めが一定あったことを踏まえ、教育学研究科長から本人に対し、個人のSNS投稿についても十分考慮して行うよう注意をしたところです。
本学は今後も構成員に対する人権尊重及びコンプライアンスの重要性の周知に努めてまいります」
本田氏が会長を務める日本教育学会の事務局は7日のJ-CASTニュースの取材に対し、「『解説』については把握しています。この『解説』も含めて現在、倫理委員会で検討中です」と回答した。なお、前回行った3日の取材では、本田氏の投稿を巡り「倫理委員会において対応を検討中です」としていた。