事実上の解体が決まった中道改革連合への逆風が収まらない。2026年2月の衆院選の惨敗から7か月での分裂に「選挙目当ての野合」とやゆされたばかりだが、今度は議員1人を残し、当面は「存続」させることで11億6900万円もの政政党交付金を受け取ることに批判が殺到している。
維新吉村氏「選挙目的に加え、お金目的」
衆院選公示前の1月に急遽結党された中道改革連合。しかし、自民党が公示前から118議席を増やしたのに対し、中道は118議席を減らすという無惨な結果に終わった。8月31日の立憲民主党や公明党の3党による会談で、合流断念となった。
立憲系の20人は新党を結成し、公明系の28人は復党することになる。だが、政党助成法上は、どちらも未交付分を受け取れない。このため立憲系の1人だけが、解体される中道に残ることになった。
この対応に小川淳也代表は9月11日の記者会見で、1人が残る理由について、21人全員が離党すると「社会的責任、経済的責任を果たせない」と釈明した。また同日に「選挙ドットコム」YouTubeチャンネルで公開された動画で、中道の伊佐進一衆院議員は、党には衆院選でかかった費用の借金が「数十億円ある」と説明。「党としての返済できる原資は政党交付金しかない」と述べた。
だが、これらの説明には多方面から疑問や批判の声が相次ぐ。公明党と入れ替わる形で連立与党入りを果たした日本維新の会の吉村洋文代表は、9月9日の会見で「選挙目的に加え、お金目的がなかったかどうか。そういった話になってきているんじゃないかと思います」と辛辣に指摘。自民党の浅尾慶一郎参院議員はX(旧Twitter)に「必要があれば、私の経験をご教示しますよ」と小川代表を名指しして投稿。かつて自身が代表を務めたみんなの党の解散後に残った政党交付金などを国庫に返納したことを念頭に、皮肉を込めた。
編集者の箕輪厚介氏は自身のXで「中道のやつらは全員国会議員を辞めろ。すぐ分裂したんだから選挙資金に税金は使わず借金してでも返せ。国民が毎日汗水流して納めた税金をお前らが受け取る資格はない。当たり前だ」と手厳しく切り捨てた。中央大学法科大学院の野村修也教授はXで「こんな経緯を辿った中道に残りの政党交付金を貰う資格があるのか」と記し、制度の趣旨に合わない対応だと批判。「ビリギャル」で知られる学習塾塾長の坪田信貴氏もXで「どう考えても納税者に失礼どころか、損害を与えてると言って良いでしょ」と疑問視。SNSでは、政党交付金を受け取るために1人だけ残る議員を「受け子」とやゆする声も上がっている。
5月に腎移植手術を受ける
こうした中、解体される中道にたった1人残る議員の人選にも疑問の声が噴出。9月11日に中道の立憲系議員は会合を開き、渡辺創衆院議員が中道に残って清算手続きを行う方針を決めた。渡辺氏は2月の衆院選では中道への逆風の中、選挙区で3期目の当選を果たした。しかし、5月には腎移植の手術を受けており、健康面を心配する声がある。SNSでは、この対応にも「病み上がりに尻拭いさせるって」「オガジュンが引き受けるべき」など否定的な反応が目立つ。
衆院選直前に結党を主導し、惨敗の「戦犯」とされる野田佳彦前共同代表には、騒動の矢面に立つような動きは見られない。
野田氏は分裂が決定した8月31日、国会内で記者団からの取材に「ノーコメント」と答え、足早に去った。その後、9月7日に自身の公式サイトで「3党が合流に至らなかったことは誠に悔しく残念でなりません。ご支援、ご期待をいただいた皆様に、深く深くお詫び申し上げます」との談話を示し、無念さを滲ませていた。
党解体に伴い、中道の立憲系議員が結成する新党の名前には「民主」が入るという見方が出ている。この動きに対し、元大阪市長の松井一郎氏は自身のXで「ご自由に命名すれば良いが、何度名前を変えても悪夢の民主って事やね」と反応。かつて野田氏らが首相を務めた旧民主党政権に皮肉を込めた。新党については、15日に党名や執行部などの体制が決まる見通し。だが、一時期は下落していた高市内閣の支持率は再び上昇傾向にあり、世間の冷たい視線と共に新党の船出は厳しい状況にある。