高市早苗首相は日本時間2026年9月22日から23日にかけて訪米し、トランプ大統領との首脳会談や国連総会での演説に臨んだ。しかし、一連の動きに対する内閣広報官や首相官邸の一方的な情報発信にSNSでは冷めた反応が目立つ。さらには、外交の場でも「一方通行」のコミュニケーションを懸念する声がある。被災地訪問で大不評、それでも繰り返されたBGMつき動画高市首相がニューヨークに到着直後、内閣広報官のX(旧Twitter)アカウントは早速、タラップの前から空港へ手を振る首相の後ろ姿の写真を公開。しかし、出迎える人が写っていない中で手を振るというシュールな光景に、SNSでは「こういうポーズとってくれって、カメラマンが言うのでしょうか?」と冷めた反応が目立っていた。内閣広報室は27年度の概算要求として、26年度の10倍を超える約72億円を要求していることが報じられている。高市首相は記者会見に消極的である一方、政府機関や自身のSNSを通した発信を多用しており、この増額要求に対しては批判が噴出している。記憶に新しいのが、8月初めに熊本地震の被災地を訪問した際の炎上騒動だ。内閣広報官のXが公開した上空から手をあわせる首相の写真や、首相官邸が公開したBGM付きの被災地視察まとめ動画に対し、SNSでは大ブーイングが発生。「政権プロパガンダ」「やってることが北朝鮮」「総理が主役のPV」などと散々な言われようだった。そして、今回の訪米でも同様の発信スタイルが繰り返された。首相官邸は日本時間9月23日夕方、またしてもBGM付きの動画を公開。約1分半の動画には演説する高市首相、グテレス国連事務総長やトランプ大統領らと握手する高市首相などが収められ、演説の音声とともにほぼ全編にBGMが流れていた。ノーカット会見動画投稿し「角度も味付けもなし、ありのままを」訪米と同時期には日本国内で台風25号の被害が出ていたこともあり、またしても「PV風」の動画には批判が殺到。SNSでは「また、国民の血税でPV作ってるよ」「こんなプロモーション撮るお金をいま困っている災害地へ送ってください」「PVではなく事実に基づいた具体的成果の発表を。ていうか、記者会見開いて質問に答えてくれればここに税金使う必要はありません」など、厳しい意見が続出した。一方、政府系のSNSアカウントは批判どこ吹く風の態度だ。首相官邸のXは9月23日、国連総会での高市首相の記者会見の動画と冒頭発言の全文を公開。これに内閣広報官のXが「先ほどの高市総理の内外記者会見全文ノーカット版です。角度も味付けもなし、ありのままをお届けします」と暗にメディアを挑発するような文言を添えて発信した。相変わらず、投稿の返信欄は閉鎖したままとなっている。これに対し、自民党内から追従する動きも。8月にX上で一般人のアカウントを「これは、、、日本人アカウントではない?」と挑発して謝罪撤回する羽目になった党広報本部長の鈴木貴子衆院議員は「味付けなしの素材をどうぞ」とリポスト。4月にインターネット番組で国会周辺でのデモ活動を「ごっこ遊び」とやゆして批判された門寛子衆院議員も「角度も味付けもなし、に万感の思いを感じました」と同調した。蒸し返された塩対応「相手によって態度をここまで変えるのは」ところが、これら政府・与党側の内輪受けのノリとは対照的に、訪米中の高市首相の言動にも厳しい視線が注がれている。首相官邸のXはトランプ大統領との会談の様子を動画で報告。「AIや半導体、重要鉱物など、ドナルドと私のリーダーシップのおかげで日米間で経済安全保障の協力も進んでいます」などとアピールし、時折目を見開いてトランプ大統領に視線を送る高市首相の表情をアップで伝えた。内閣広報官のXも、首を傾けて満面の笑みを浮かべて握手する高市首相の写真を公開した。これに対してSNSでは「場末のスナックのノリ」「嬉しそうに色目使って媚びうる高市さん。恥ずかしすぎる」などと拒否反応が相次ぐ。さらに、8月の「長崎原爆の日」に見せた、原爆被災者団体に対する態度も蒸し返される結果となった。8月に被災者団体からの要望を聞いていた際、高市首相は相槌を打つこともせず、途中からは殆ど目を合わせずに手元の資料に視線を落とし、ため息のような仕草まで見せていた様子がSNSで拡散された。トランプ大統領に対する態度との違いから「相手によって態度をここまで変える人間ってどうなんだ?」「トランプの時と比べるとよりこの日の酷さがマシマシになるな」との批判が再燃してしまった。また、高市首相は国連演説で国連憲章の「旧敵国条項」について「早急に削除されるべきです」と主張したことに疑問の声も。1995年の国連総会で既に死文化しているとの認識が示されているが、高市首相があえて言及したことで中国側は即座に反発。SNSでは「余計削除が遠のいた」など、対応を疑問視する声が出ている。高市首相と入れ替わるように日本時間9月24日には中国の習近平国家主席が訪米。トランプ大統領が自ら空港で出迎える異例の対応となった。首脳会談ではトランプ大統領を繰り返し「ドナルド」と呼んで蜜月関係をアピールした高市首相。だが、9月23日にテレビ朝日系の情報番組「スーパーJチャンネル」に出演した明海大学の小谷哲男教授は「トランプ大統領は一度も『高市総理』とも『早苗』とも言ったことがなく、やや一方通行の印象は否めない」と評した。
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