長野県中野市内でブドウ畑を荒らしたとして駆除されたクマが、意外な通称で呼ばれていたと、ネット上で話題になっている。シャインマスカットなどがたわわに実る中で、体毛の黒いクマが地面に横たわっている。猟友会員や警察官ら数人が見守り、感慨深げな様子だ。「プリンちゃん」の通称で呼ばれていたこの写真は、地元紙の信濃毎日新聞が2026年9月30日、ウェブ版記事でアップした。記事によると、29日午前9時前、ブドウ畑の農家が「クマがいる」と警察に連絡し、警察や猟友会、市などの職員など10人強が現場に駆け付けた。しかし、クマは、逃げるそぶりすら見せない。県の対策員が麻酔銃を構えると、クマは畑内で移動してしまう。しかし、10時半ごろ、狙いを定めると、クマが立ち向かってきた。警察が警職法に基づいて猟友会に発砲を命じ、猟友会長がライフル銃を撃つと、2発が命中したという。駆除されたのは、オスの成獣だった。体長は144センチ、体重は79.5キロあった。右目周りの傷や足の大きさから、県が「YN15」と名付けた個体らしかった。地元では、その体格のよさから「プリンちゃん」の通称で呼ばれていたという。このクマは、18年ごろから、果樹園や養鶏場に出没し続けた。シャインマスカットやナガノパープルといった高級ブドウのほか、ブランド地鶏「信州黄金シャモ」も被害に遭った。しかし、クマの警戒心が強く、猟友会でも8年間追い続けていたが、仕留められなかったという。目に傷があるキャラは、ワンピースの「ロロノア・ゾロ」、古くは剣豪小説「丹下左膳」のように、恐ろしいイメージがある。クマのネーミングでは、牛を襲い続けた北海道の怪物ヒグマ「OSO18」などが知られているが、プリンちゃんとは、通称とはいえ、何とも可愛らしい名前だ。ネット上では、「なんでそんな恐れられてる熊が」「どこか愛嬌のあるクマだったのかな...」「体格がポムポムプリンに似ているとか?」と推測などが行われた。「被害が多くて捕まえるのが難しく、危険な個体」YN15と名付けた理由について、長野県北信地域振興局の林務課は10月1日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。「山ノ内町や中野市で被害が出ていますので、その頭文字を取りました。15とは、足跡のサイズを指し、このクマの場合は、ちょっと大きいです。名前を付けるクマはほとんどいませんが、このクマは、被害が多くて捕まえるのが難しく、危険な個体と判断しました」プリンちゃんと呼ばれていた理由については、「よく分かりませんが、元気なときは、丸々としていたからではないでしょうか」と推測した。駆除したクマがYN15かどうかについては、こう話した。「右目の上に傷がある特徴でそうではないかと考えましたが、足のサイズは12ぐらいとやや小さかったです。国の森林総合研究所に引き渡しており、DNA鑑定が行われます。結果には時間がかかりますが、符合できる資料があるか分からないので、YN15と特定できない可能性もあります」8年間逃げ回りながらも捕まった理由については、こんな見方を示した。「今回目撃したときは、後ろ足をケガして自由に動けませんでした。足のサイズが小さかったのは、体がやせて体重が落ちていたからかもしれません」クマの駆除を担当する中野市の農業振興課は1日、プリンちゃんと呼ばれていた理由を取材にこう話した。「24、25年は、百数十キロまで太った大きなクマでした。その体がプリンプリンしていたので、名付けられたのではないですか。しかし、誰がなぜ名付けたのかはよく分からず、いつしかそう呼ばれるようになっていましたね」サンリオのキャラ「ポムポムプリン」に容姿が似ているからかどうかも分からないという。「学習能力が優れており、オリにエサを入れても、入りませんでした。警戒心もかなり高かったと聞いています。ブドウに味をしめて毎年のように出没し、トウモロコシもやられていました。季節の旬のものを食べていたようです。しかし、だいぶやせて、体重が100キロを切っていました。今回クマを駆除してからは、その姿を見ていません」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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