簗和生農水相が地元自治体の道路予算を「大幅にカットした」と発言した問題を巡り、簗氏が発言を撤回した後も、国会での追及が続いている。高市早苗首相は続投させる意向を示しているが、高市政権への打撃はどこまで広がるのだろうか。
元自民党職員で政治評論家の田村重信氏は2026年10月8日、J-CASTニュースの取材に対し、「問題が長引けば長引くほど、支持率を下げるし、高市政権にダメージを与えることになります」と説明。国会運営などに支障が出てきた場合は、高市首相が判断せざるを得ない局面が来ると指摘した。
発言撤回後も続投、野党からは任命責任を問う声も
簗氏は26年5月24日に栃木県大田原市で行われた自民党支部の会合に出席し、地元自治体である那須烏山市と那珂川町の道路予算を「大幅にカットした」と発言した。26年2月の衆院選で自身を支援しなかった首長がいるためだ、などと説明していた。
簗氏は10月5日、発言を撤回して謝罪。だが「わたしが担当省庁に予算削減の働きかけをした事実はございません」とし、大臣を続投する意向を示した。国土交通省は6日、簗氏から26年2月に予算配分額の問い合わせがあったと公表した。一方、対応した担当者は働きかけや圧力を受けたことはなかったと思う、と説明したとしている。
野党からは高市首相の任命責任を問う声が上がっている。高市首相は8日の衆院本会議の代表質問で、「大臣の任命責任はわたくしにあります」としつつ、「まず本人が適切に説明をするということが重要」だと説明。「とにかく働いて仕事で返せと言っている」と明かしたうえで、続投させる意向を示した。
「総理に迷惑をかけてはいけないということを考える必要」
自民党の元政務調査会調査役で政治評論家の田村氏は、閣僚に起用する人物の過去の言動を事前に把握する難しさがあると指摘する。「それなりに事前にチェックをされたと思いますが、中々分からないところもありますから。総理の任命責任はあるといえばあるが、どこまで責任があるというのは中々難しいところはあると思います」
歴代政権でも、閣僚の起用後に週刊誌などの報道で問題が発覚することは起きている。それでも問題が発覚すれば、「『こういうことだったのか』となりますから、それなりに任命責任が問われることにはなるでしょう」と話した。
この問題を巡り、高市首相が簗氏を続投させる意向を示しているのはなぜか。
「簗氏が続投すると言っているわけだから、総理も現段階では様子を見ている。これだけの問題になっているため、当然ご本人が判断されるのだろうという意味もあり、続投させるという風に言っていると思います」
田村氏は、簗氏が自分から辞めることが最善だと述べる。「やはり自分の問題ですので、総理に迷惑をかけてはいけないということを考える必要があると思う」と指摘した。
支持率下がらなかった先例も...今回は「厳しいんじゃないか」
簗氏が続投する意向を示す背景として、田村氏は松本洋平前文科相の前例を挙げた。週刊文春は26年3月、松本氏の大臣就任前の不倫疑惑を報じた。この問題を巡り、高市首相は更迭を否定していた。
田村氏は「あのときも辞任するんじゃないかという雰囲気があったけれども、辞任をせずに続投し、それで支持率も下がらなかった」と振り返った。この前例が簗氏の続投に影響しているとみる。
だが、今回については「厳しいんじゃないか」と指摘。この問題がさらに大きくなり、国会運営などに支障が出る場合には、「総理が判断せざるを得ないときは来るだろうと思いますよ」と話した。
内閣支持率への影響については「下がると思います」とみる。今回の問題は「マイナス材料」であり、週刊誌のほか、新聞やテレビ、ネットなどでも大きく取り上げられている。「世論調査をすれば、支持率に当然影響するし下がることが考えられる」
田村氏は、国会審議や国会運営にも影響が出るとの見方も示した。「野党がこの問題で審議拒否をし、国民がそれを支持したりする場合、結局、食料品の消費税減税が国会で審議できなくなる」
「問題が長引けば長引くほど、内閣支持率を下げるし、高市政権にダメージを与えることになります」と田村氏は指摘し、簗氏が取るべき対応は「出処進退を早めに明らかにするということだと思います」と話した。