ガバナンスや管理体制「全てが『壊れている』」...プルデンシャルGにコンサル指摘の過去 調査報告書で判明

   プルデンシャル生命は2026年10月8日、複数の社員・元社員による金銭不祥事に関し社外特別調査委員会の調査報告書を公開した。調査報告書では、過去に内部通報や顧客からの苦情などを通じて問題を把握する機会がありながら、営業モデルの見直しなど抜本的な改革に至らなかったことなどが指摘された。

  • プルデンシャル生命、ジブラルタ生命の本社、プルデンシャルタワー(写真:アフロ)
    プルデンシャル生命、ジブラルタ生命の本社、プルデンシャルタワー(写真:アフロ)
  • 得丸博充代表取締役社長
    得丸博充代表取締役社長
  • プルデンシャル生命、ジブラルタ生命の本社、プルデンシャルタワー(写真:アフロ)
  • 得丸博充代表取締役社長

不適切な金銭授受、内部通報や苦情は確認されていた

   調査報告書によると、申告された不適切な金銭の授受等の被害総額は約52億円。プルデンシャル生命は8日、今回の金銭不祥事を受け、関与した社員・元社員157人に対し、懲戒解雇・諭旨解雇、業務停止、訓戒・譴責などの処分を行ったことを明らかにした。また、得丸博充社長ら3人の取締役が3か月の報酬月額30%を自主返納するとしている。

   この金銭不祥事の背景について調査報告書では、一部営業社員の問題ではなく、ビジネスモデルや営業成績を過度に重視する企業風土、営業現場における管理・監督の脆弱性などが複合的に作用した「構造的な問題」であると指摘している。

   また調査報告書は、過去に不適切な金銭授受に関する内部通報や苦情があったにもかかわらず、営業モデルの見直しなど抜本的な対策を講じなかったことを指摘している。

   調査報告書によると、19年以降、投資勧誘に関する内部通報が増加。これに対し当時のプルデンシャル生命は、個別事案の調査や処分をするに留まった。

   また、今回調査対象となった事案に関して、会社側が24年8月に社内調査を始める前から苦情が寄せられていたものもあったとも指摘している。20年前後に寄せられたものが多かったが、中には社内調査が始まる約10年前に苦情が寄せられたケースもあったという。

「the governance system is broken」

   報告書では、グループ会社であるジブラルタ生命で発生した金銭不祥事への対応にも言及した。

   会社は2019年、ジブラルタ生命で発生した金銭不祥事を受けて外部コンサルタントを起用。グループ全体のビジネスモデルや管理体制について検証を受けた。その際、外部コンサルタントから次のような指摘や評価を受けたことが報告されている。

「ジブラルタの内部ガバナンス体制、PHJ(プルデンシャル生命及びジブラルタ生命の親会社であるプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン)によるジブラルタの管理・監督体制及びPFI(PHJ の親会社である米法人・Prudential Financial, Inc.)によるPHJへの管理・監督体制、以上の全てが『壊れている』(the governance system is broken)」
「コンプライアンス部門が効果的に機能しておらず、時折営業に偏りすぎている(懲戒処分や調査をほとんど行わなかった事実によって裏付けられる)」

   一方で、当時のPHJの幹部の中には、「ジブラルタはごく少数の事例でミスを犯したにすぎず、販売一辺倒のひどい風土を生み出すような組織的な要因は存在しない」との見方を示した人もいると紹介している。

   調査報告書は、プルデンシャル生命はこれまで、ビジネスモデルやガバナンスの点検、社員による金銭詐取・投資勧誘への対策等は行ってきており、PHJやジブラルタ生命においても報酬制度や営業管理体制、ガバナンス上の課題への検討が行われたものの、それは個別事案への対応やルール整備、統制機能の強化に向けられており、「ビジネスモデル及びその管理・監督体制に内在するリスクに対する抜本的な見直しには至らなかった」としている。

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