れいわ新選組から改名した、いのちの党の奥田芙美代副代表(参院議員)による国会質問が波紋を広げている。
奥田氏は2026年10月19日の参院予算委員会で質問に立ち、熊本地震の被災地での自衛隊による活動について疑問を呈した。自衛隊派遣や撤収は被災自治体の要請ベースで行われるが、奥田氏の主張はこの前提を踏まえていないとみられ、「求められてない支援を無理やりやれ、ということでしょうか」(高市早苗首相)と、政府側にも困惑が広がった。
「『なにそれ』って言いたいことが目的かもしれませんけども」
防衛省統合幕僚監部の小杉総括官から、熊本県の撤収要請を受けて9月13日に被災地での自衛隊の給水・入浴支援が終了したとの説明を受けた奥田氏は、「え、なにそれ......」とため息まじりに語りだすと、「給水支援もお風呂の支援もやめちゃったんですか? 現場の水、全然足りていません」と主張。
「井戸の復旧、井戸水の復旧、そして水道を引くのに100万円単位、こういうお金を自腹切らされるおじいちゃんおばあちゃん多くいたんです。お金なくって困ってるって言ってました。総理、すぐに自衛隊の給水支援、そして入浴の支援拡充、お願いできないでしょうか」と訴えた。
小泉進次郎防衛大臣は、「ちょっと自衛隊の名誉に関わりますので」と前置きすると、「今の『なにそれ』って言いたいことが目的かもしれませんけども、自衛隊の災害派遣というのは、自治体からの要請に基づいて行っております」と説明。
「そして自衛隊の災害派遣で行われている活動の撤収も、自衛隊は自治体の撤収要請に基づいて行われております。それをあたかもそうではないかのように訴えるのはやめていただきたいと思います」とした。
「はい、自衛隊の炊き出しはゼロということです」
奥田氏は、8月13日にもXで「熊本の被災地、自衛隊の炊き出しゼロ!!」と投稿。
熊本地震の被災地で自衛隊による炊き出しが行われていないことについて、「2016年に出来た支援がなぜ今出来ない? 被害が小さいからだとでも言うのか?」などと疑問をつづっていた。
10月19日の予算委でも、奥田氏は被災地で提供される弁当について不満の声があると訴え、自衛隊による炊き出しの実施状況を質問。小泉氏は、今回は自治体から給食支援の要請がなかったと説明した上で、奥田氏のSNS投稿について、自衛隊が必要な活動を怠っているかのような印象を与えるとして反論した。
小杉氏による「はくおうⅡを活用した食事付きの宿泊支援などは実施してございます」との説明を聞いた奥田氏は、「はい、自衛隊の炊き出しはゼロということです」と応答。
噛み合わないコメントに議場がざわめく中、「聞いていただけませんか?」との言葉を交え、「支援団体から聞きました。『自衛隊にかなう炊き出しはない』と。支援団体の方がおっしゃってました」と説明した。
その上で、「総理、今こそ自衛隊が炊き出しをすべきじゃないんですか?」と主張した。
「先ほどからですね。なんか『印象操作だ』とかなんとかって言われますけれども、みんな忖度して要請が出せないんじゃないんですか? 総理の方から、要請どんどん『出してください』って言えばいいじゃないですか」
「本当に地元の人たちは困っているんです。『あったかいご飯が食べたい』って。私はその意見を、その叫びをここに伝えているんです。総理の方からぜひどんどん要請を出してくださいって訴えてくださらないでしょうか」と呼びかけた。
「求められてない支援を無理やりやれ、ということでしょうか」
高市早苗首相は、「高市内閣は8月も9月も、そして今に至っても、懸命に熊本県の支援に取り組んでおります。自衛隊に関しても、『自衛隊の任務はこれで終了してください』ということ(要請)は熊本県側からあったので、準備を始め、速やかに撤収したということです」と説明。
奥田氏の訴えに、「あの『居座れ』ということのご指摘でしょうか。それとも求められてない支援を無理やりやれ、ということでしょうか。自衛隊の名誉に関わりますよ」とあきれたように語った。
奥田氏は、「誰の名誉とかそういうこと以前にですね、地元のその被災者たちが苦しんでいる」とし、「ぜひ総理、もう一度視察に行ってください。本当にもう撤退していいのかどうか、ご自身で確認してください!」と語気を強め、「次行きます」と自ら話題を切り上げた。
質疑の様子はSNSでも拡散され、「一生懸命なのはわかるけど、噛み合っていないような......」「批判ありきで話を進めるのはどうかと思う」といった声が上がっている。