仕事で失敗したときに、事実を冷静に受け止めて次につなげられる人と、次につなげるどころでないほど強いストレスを受ける人がいます。結果に対する他人の評価だけでなく、自分なりの評価を持てる人、つまり「自分の行動と結果がつながっている」感覚を持つ人は、強いストレスを受けても、失敗を受け止めることができます。この感覚を日々の生活で養うために、「ひもづけダイエット」の習慣をオススメします。>>ビジネスパーソンのストレス対処術・記事一覧自分で目標を立て実行することなく、成功はない「それができたら苦労はない!」と思うけど…テレビや雑誌、インターネットなどで紹介されたダイエット方法を、とりあえずやってみたけど続かない、結果が出ないという話をよく聞きます。一時的に少し効果が出たとしても、リバウンドしてかえって体重が増えてしまうことも。厳しい言い方ですが、これだけダイエットが流行し、いろいろな方法が次々と編み出されている理由は、ダイエットしようとする人が「○○するだけで痩せられる」という甘い言葉に乗っているからです。人によって生活習慣も体質も違うのですから、誰もが簡単に痩せられる方法などありえません。そもそも他人のお仕着せのやり方が自分に合うことは、まずないと考えてよいでしょう。だからこそ、ダイエットブームは、いつまでも続くわけですが…。「こんな繰り返しは、もうイヤだ!」「どうしても健康に美しくスマートになりたい!」と決意した人は、自分自身で目標を立て、試行錯誤して自分なりの方法を編み出し、自分の力で実行すると決めましょう。実行しながら、結果をモニタリングし、自分の行動を修正していきます。日記やブログに目標や日々の体重・食事を記録したり、歩数計や表計算ソフトを使って体重や歩数を「見える化」したりすると、振り返りがしやすくなります。自分の行動と結果を、ひもづけるように意識して行うダイエット。これが「ひもづけダイエット」です。体にひもを巻き付けると、あら不思議。誰でも簡単にやせちゃいます、というものではありません「それができたら苦労はない!」「そんなのダイエット法じゃない!」と反論する方は、たぶんこれからも「これで必ず痩せられる」という言葉に飛びついて、お金や時間を無駄にしながら、いつまでも理想のスタイルを手に入れることができないでしょう。安易なダイエット法に飛びつく人はストレスに弱いさて、仕事のストレス対処法と、「ひもづけダイエット」にどんな関係があるのか。それは、「自分がやるべきことをやった」という感覚と、「結果がうまくいった」ということが「ひもづけ」されると、人は大きな達成感を得られ、ストレスから解放されるからです。また、仕事で失敗したとき、自分なりに「やるべきことをやっていなかった」という自覚があれば、失敗したときに素直に反省できますし、どこを改善すればよいのかに考えが及びます。「やるべきことをやったが、結果が出なかった」という自覚があれば、自分なりの感覚を大事にしながら、他人の評価だけに振り回されずに、次のことを考えることができるでしょう。一番ストレスを受けやすいのは、「やるべきことをやっていない」のに、結果を出したい、他人の評価を受けたいと考える人です。安易なことしかしていなければ、結果が出ないのは当然ですし、たまたま結果が出たとしても継続して結果がでないので、いつかボロが出てしまいます。そもそも、そんな結果や評価では、大した達成感を得られないものです。これは「○○するだけで痩せられる」ダイエット方法に飛びつく人に似ていませんか?目指すべきは、「やるべきことをやった」うえで、「結果がうまくいった」「評価された」という状態。自分の行動と結果を振り返りながら、試行錯誤をし続ける覚悟を決めましょう。何でもいいので、そういう感覚を経験したことのある人は、ストレスに強くなれるものです。ビジネスパーソンとして本当の力をつけるには、学問やスポーツ、ダイエットと同じように、近道はないと考えることが、ストレスのコントロールには効果があるのです。>>ビジネスパーソンのストレス対処術・記事一覧今回の筆者:大井雄一(おおい・ゆういち) 筑波大学大学院人間総合科学研究科産業精神医学・宇宙医学グループ所属。日本医師会認定産業医。労働者のメンタルヘルスと生活習慣を主な研究テーマとする。日本原子力研究開発機構(JAEA)などの産業医として労働者の健康管理に携わっている。
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