2019年 3月 20日 (水)

「労働組合を作りますよ!」と社員に脅かされました

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   1980年以前には3割台を維持していた労働組合の組織率(推定値)も、最近では1割台にまで落ち込んでいる。その一方で、「会社の横暴」にブレーキをかけるために、あらためて労働者が力を合わせた方がよいという意見も一部で上がっているようだ。

   ある会社では、大規模リストラを懸念する社員が中心となり、労働組合を結成しようとする動きがあると聞いて、人事部長が青ざめているという。

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「リストラよりトップの退陣が先だ」

――中堅システム開発会社の人事担当です。リーマンショック以降、大手クライアントからの発注が回復せず、会社の業績はジリ貧状態が続いています。

   人事としてはこれまで、昇給の凍結や賞与の抑制、福利厚生のカットなどの経費削減策を断行してきました。この春からは節電も兼ねて、残業も厳しく制限しています。

   経営陣からはさらなるリストラに向けて、ベテラン社員を中心とした退職勧奨を検討するよう指示を受けています。

   そんな雰囲気を察知したのか、営業部の40代Aさんが社内の有志を集め、労働条件の見直しを含む会社への要求事項をまとめている、という噂を聞きました。

   Aさんにそれとなく水を向けてみたところ、「このままでは、われわれ社員は使い捨て。首切りの前に、トップの退陣と管理職の報酬カットは不可欠ですよ」と表情を曇らせます。しまいには、

「賛同者を募って労働組合を作ろうという話も出ている。どうしてもリストラが必要なら手続きは公平にしなければならないし、条件面でも注文を出したい。そんなことになる前に、会社は社員が納得できる経営改革案を出すべきじゃないですか?」

と、こちらを脅かすような強硬なセリフまで飛び出しました。

   人事部長に報告したところ、飛び上がって驚き、「組合なんか作らせたら、お前も俺も即クビ決定だよ」と嘆き、会社批判をして集まる人たちへの懲戒処分を検討しようとしています。これから、どうやって対応していったらいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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