部下をほめる際のツボ キーワードは「上書き」

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   女性活躍推進のため、管理職の女性マネジメントの極意が注目されるようになりました。その極意について、「ほめ」は重ねて、上書きすると熱く語ってくれたのは、女性社員を部下に多数抱える管理職のSさん。それだけ熱く語る理由は、自分が失敗した経験があるから。

「半年前にほめた部下だからと、似たような手柄に対して何も言わなかったのですが、それはまずかったみたいですね」

とのこと。ほめられなかった女性部下から「ちゃんと見てくれていない」とクレームを受けたようです。人をほめ称えるうえで、意外とやってしまいがちなミス。それは、「1度ほめたから、もういいだろう」と油断してしまうことです。

「ことあるごとにほめる」ことが重要

以前にほめたから・・・
以前にほめたから・・・

   「前回ほめたから、今日はもういいよね」といっても、ほめられた方はすでに忘れている可能性もあります。また、人間というのは「自分は周りからどう思われているのだろう」という心理的な不安を常に抱えているものです。たとえ「お前は仕事をよく頑張っていて立派だ」と評価されたとしても、何日か経つと「今の自分は、どうなんだろう? 大丈夫かな?」と不安に思ったりします。「昨日はほめられたのに、今日同じことをしてもほめてもらえないのはなぜだろう?」と不満に思う人もいるでしょう。

   だからこそ、人をほめる時は「1度ほめたら終わり」ではなく、「ことあるごとにほめる」ことが重要です。ほめるべき場面を見つけたら、その都度ほめてあげましょう。いわばほめの「上書き」です。

   人をほめる時の評価の基準ですが、同じことをしても「そんなことはできて当たり前じゃん」という厳しめの人もいれば、「よくできましたね~」という甘めの人もいます。このバランスが、実はとても難しいところです。

ほめる時は「やや甘め」で

   私は今、人事の仕事をしていることもあり、人を評価する場面も多いのですが、そこで思うのは、「厳しめ」よりも「やや甘め」の視点が今の時代には合っているということです。

   自分から見たら「できて当たり前」だと思うことでも、「すごいですね」と言って失礼にはなりません。「ほめるほどでもないな」と思ってやめてしまうのではなく、できれば少し甘めの気持ちで「やっぱりすごいですね」とほめたほうが、ほめられた側も嬉しいと思います。逆に、「それはできて当たり前ですよね」と言われてしまうと、ガッカリしてしまうでしょう。

   そうはいっても、「漢字も書けるんですね」というレベルではさすがに失礼に当たりますので、相手が「ほめられて嬉しい」と思うことをほめるようにしましょう。

   目安として、「社会人の常識としてごく当たり前のレベル」よりも上であれば、ほめてあげていいと思います。

「ハロー効果」に要注意

   ここで注意したほうがいいのは、「ハロー(後光)効果」に惑わされないことです。ハロー効果とは、人が何かを評価する際、ある特徴によって評価が大きく変化してしまう心理的な現象を言います。例えば、かつて仕事で大きな成果を挙げたり、社内においていい仕事ぶりを見せたりした人がいたとします。その人を、今は何も成していないのに過去の印象だけでほめてしまうと、ほめられた本人にもいい影響はありません。勘違いしてしまうだけです。「ハロー効果」の影響を受けて人をほめることは、慎んだほうがいいでしょう。

   日本総研の調査(2015年11月公表)によると、女性部下を持った男性管理職のなかで、女性部下との仕事をやりづらいと感じたことのある男性管理職は、約6割に上るとのこと。その理由として、女性に対する対話方法に苦慮する声が多数上がっています。ほめ上手でないことも原因かもしれません。まずは、重ねて褒めることから意識してみたらいいのではないでしょうか?(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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